労働時間・休憩・休日について@
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社会保険労務士 江尻育弘
2017年11月21日

まず、所定労働時間と法定労働時間の違いについて確認しましょう。

所定労働時間とは、始業時刻から終業時間の中から休憩時間を除いた時間となります。
例えば、始業9時、終業17時、休憩1時間、20時まで仕事をした場合、所定労働時間は7時間です。
法定労働時間は労働基準法上、一日8時間の実労働となり、上記の例では9時から18時までの時間が法定労働時間となります。

労働基準法が割増賃金の支払いを強制しているのが、法定労働時間を超える時間についてなので、この場合は18時から20時までの2時間に対する法定時間外の労働になります。

─9:00←(所定労働時間)→17:00←(所定時間外労働)→18:00←(法定時間外労働)→20:00─
─9:00←──(法定労働時間)──→18:00←(法定時間外労働)→20:00─

では、終業時刻(17時)から18時の所定労働時間を超えた1時間分はどうなるのでしょうか?

これは、所定時間外労働となります。終業時間を超えて残業を命じる場合は、所定時間を超えた1時間分の賃金を支給して命令を行ないます。

これは労働基準法の問題ではなく、基本的には労働契約上の問題になります。労働契約上、使用者が残業命令権を持っているため、終業時間を超えて勤務を延長する場合は、通常の1時間単価分の賃金を支払うことになります。

これが、法定労働時間の8時間を超えて残業を命令する場合は、1時間あたり125%で計算して賃金を支払うことになります。この125%は1+0.25という考え方をします。「1」は契約上の1時間分の賃金です。

刑事罰をもって強制しているのが通常の1時間単価の0.25以上付加して支払う部分です。

125%は常に1+0.25(1.25という考え方からきています。

就業規則で「所定労働時間は実労働時間8時間とする」と記載されている場合は、所定労働時間が常に法定労働時間と一致します。所定労働時間を超える勤務に対しては常に法定時間外労働としての割増ルールが適用します。

ここでひとつチェックして頂きたいのが、「就業時刻を超えたら割増賃金を支払う」という文言です。

この文言からいえば、朝、遅刻をしても賃金カットされず、10時に出勤した場合でも17時を超えた分の勤務に対して割増賃金を支払わないといけないのか?となると、実際の意図していたことと記載していることがずれてくることになります。

つまり、10時から17時の実働6時間でありながら、就業時刻の17時を超えたら割増賃金を支払う意味になるということです。

遅刻した分賃金カットをして、17時を超えたら割増賃金を支払うというルールでもかまいませんが、実労働(法定労働時間)8時間で合わせたいのが通常でしょう。

7時間を超える分については125%を支払う必要はなく、法定労働時間を超えない範囲であれば1時間分の単価で良いにもかかわらず、就業規則にそうなっていないというのが問題なのです。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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