時間外労働と休日労働の定め方
時間外労働と休日労働の定め方

時間外労働と休日労働の定め方

社会保険労務士 江尻育弘
2017年12月15日

貴社の就業規則には時間外労働、休日労働についてどのように定められていますか?

まずは規定例を見ていきましょう。

規定例)=================================

やむを得ず時間外労働が必要な場合は、所属長に申出・承認をもらわなければならない。会社の許可なく時間外労働を行った場合は、当該労働に当たる部分の通常賃金、割増賃金は支払わない。休日労働についても、原則、所属長の承認を得た上で行う。許可なく休日労働を行った場合は、当該労働に当たる部分の通常賃金、割増賃金は支払わない。

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この規定例には2つのポイントがあります。

ポイント1 時間外労働、休日労働に対する賃金は、残業の指示もしくは申請に対する承認に基づき支払うものであることを明確にする。

ポイント2 現場の管理職に対しても、考え方を共有、指導を行い、実態がルーズにならないようにする。

ポイント1については、基本的な考え方として大変重要です。

必ずしも、タイムカードの打刻時間や職員が出してきた労働時間のメモ書きのすべてを労働時間として評価しないとダメというわけではありません。時間外労働は指示もしくは申請による承認に基づき支払うものであることを明確にします。

しかし、労働時間として評価しないことを反証できない場合は、時間外労働として認めなければならなくなります。そのためにも、ポイント2で挙げたように、現場管理者が実態にルーズにならないように共通の考え方(会社のルールや部下の管理のあり方)を持つことが大切です。

次に、時間外労働命令と休日労働命令ではどちらが命令権として強いのかについて、解説していきましょう。
時間外労働とは、通常労働日の時間を延長することです。また、休日労働とは、労基法で定める休日(1週1休)にわざわざ出勤してもらうことです。

時間外労働は、その日の業務量により弾力的に延長することは、36協定の範囲において基本的に問題ありません。しかし、休日労働については、わざわざ休日に出勤してもらうことになりますので、@必ずその日に出勤しなければならないのか、A休日労働をしなかったことによる事業の損害性の有無、B必ずその人でなければならなかったのか、といった代替性の有無が合理的理由として説明できなければなりません。

つまり、時間外労働を命じる感覚で休日労働を命令ずることは難しいのです。

時間外労働、休日労働について、ある程度想定される具体的事由を就業規則で明記しておくことは、命令を拒否された時の処分の合理性を問う場合に判断を下しやすくなるという点で、お勧めしています。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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