管理監督者の位置づけ
管理監督者の位置づけ

管理監督者の位置づけ

社会保険労務士 江尻育弘
2018年1月8日

管理監督者には残業手当を支給しなくてもよいのでしょうか?

労働基準法に定められる管理監督者には、労働時間、休日、休憩の適用がない為、時間外労働や休日労働に対し、割増賃金は必要ありません。ただし、深夜業(22時〜翌5時)に関しては割増賃金の対象となり、0.25分の割増賃金が発生します。

では、“管理監督者”に当てはまる人はどのような人でしょうか?

まず、管理又は監督の地位にある人とは、労働時間、休憩、休日の枠を超えて活動することが当然とされ、企業経営上重要な「職務と責任」を持ち、現実の勤務形態もその規制になじまない立場にある人です。

その判断にあたっては、
@経営方針の決定に参画したり、
A労務管理上の指揮権限を有する等、
B経営者と一体的な立場にあり、
C出退勤について厳格な規制を受けず、
D自己の出退勤について自由裁量をもっているか否か、
上記の点を踏まえ、具体的、総合的に判断していきます。

つまり、部長だから管理監督者とするのではなく、「指揮権限等の実態」や「権限と待遇等」から判断していくのです。

その為、就業規則等で係長以上が管理監督者だと記載したとしても、実態ベースで管理監督者と判断されなければ、労働時間、休憩、休日は適用されることになります。

では管理監督者は時間拘束がないからといって、9時出社の会社で、毎日10時に来て15時に帰宅して良いのかというと、そういうわけではありません。労働基準法上の労働者である以上は、就業規則の遵守義務が当然にあります。

管理監督者は時間管理をされていなくても、好き勝手に始業、終業ができる訳ではないのです。この部分に関しては、「遅刻、欠勤がない」と多少誤解をしている方もおり、自由に振る舞ってしまうことも有ります。
しかし、一方で、遅刻したらその分を賃金控除するとなると、時間管理をしている事になります。管理監督者が「賃金カット」というと、どうも実態と合わなくなってしまいます。

重要なのは、管理監督者については、時間の配分と言った「時間管理は自主的に行ってもらう」事であり、就業規則上の義務が全く不要になるという事とは別問題なのです。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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