振替休日と代休の問題(就業規則の読み方・活かし方 第10回)
振替休日と代休の問題(就業規則の読み方・活かし方 第10回)

振替休日と代休の問題

社会保険労務士 江尻育弘
2018年1月15日

振替休日の規定例

業務上必要が有る場合第●条の規定の休日を他の労働日に振り替えることがある。前項の場合、会社は従業員に対しその対象となる休日、又は労働日前までに事前に通知する

”休日の振替”と”代休”の違いは何でしょうか?ここで整理してみましょう。

休日振替とは、”労働日”と”休日”を交代することです。例えば、事前に、もともと休みである土曜日と労働日とされる来週の水曜日と交代して、水曜日を休みとして指定することなのです。

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日
労働日 労働日 労働日 労働日 労働日 休 日 休 日

         ↓休日の振替

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日
労働日 労働日 休 日 労働日 労働日 労働日 休 日

 

労働日とは、契約上仕事をしないといけない日であり、休日というのは労働契約上仕事をしなくても良い日となります。土曜日が通常の労働日になると始業終業の時間が当然発生します。重要なポイントは、振替というのは対象となる休日の前に振り替えないといけないという点です。

休日振替の注意点

休日の振替が週をまたいで行われた場合、週をまたいで振り替えたことで、その週の労働時間が週の法定労働時間を超えた場合は時間外労働として割増賃金が発生します。

代休とは、休日は休日のままで仕事を行うことです。
この場合、翌週に代休としてお休みを与えたとしても、すでに行われた休日労働を帳消しにはできません。
例えば、休日労働を1日して、代休を別の日に与えていたとしても割増賃金の支払いは必要です。事前にきちんと労働日と休日の交代が出来ていれば、労働日と休日は逆になるのですが、代休というのはあらかじめ休日労働が行われた上で休みを与えるということになります。

代休が付与された場合、法定休日労働分に関しては労働基準法所定の割増賃金となる0.35分のみを支払うということになります。

休日労働後、代休を与えた場合の精算の方法としては・・・
〔1(通常の賃金)+0.35(休日割増)〕−1(代休分の賃金)= 0.35

この場合、規定上に明記がなくても法律上の支払義務を免れる事はできません。

では、休日労働をした場合、労働者は代休を請求することが出来るのでしょうか? これについては、必ずしも代休請求権が発生するということではありません。

就業規則でも休日出勤後の処置として「休日出勤した場合、会社の判断により代休を付与することがある。」と記載し、あくまでも代休は会社が指定し与えるものと位置づけ、拘束性をもたせます。 “代休”が、あたかも年次有給休暇と同じように労働者の権利として運用されることがありますが、あくまでも会社が指定するものとして規定することが重要だと思います。
未払い賃金の請求は2年となり、2年間さかのぼって清算が必要になることも有ります。休日の振替や代休を与えた時は未精算が出ないように注意しましょう。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

‹ 第9回 「管理監督者の位置づけ」を読む

第11回 「年次有給休暇の手続き」を読む ›

就業規則の読み方・活かし方へトップページへ戻る ›