秘密保持・競業避止義務
秘密保持・競業避止義務

秘密保持・競業避止義務

社会保険労務士 江尻育弘
2018年2月15日

規程例

1.従業員は、退職後と言えども在職中に得た会社の情報、顧客情報ならびに個人情報は一切 漏洩してはならない。

2.会社は、競合する企業への就職もしくは競業での独立開業について、合理的な範囲で従業員の退職後の競業を一定期間制限することがある。

秘密を在職中、退職後も守ることは会社の財産権になるため、規定例のように定めることは有効となります。
次に、競業避止義務とは、退職後同業他社へ一定期間、競業(同業他社)へ就くことを禁止または制限することです。

それでは、競業避止義務は規定例のように就業規則に規定したからと言って、労働者の「職業選択の自由」をどこまで、禁止、制限できるのでしょうか?

雇用が流動化している現在において、「退職後に同業他社へ行かないで下さい。」というのはすこし難しいように感じます。また、退職後の労働者に在職中と同じように、一般的に競業避止義務を認めるのは、やはり難しいこととなります。

秘密保持に関しては不正競争防止法で強く言えますが、他方、競業避止義務は強く言えないのです。

つまり、就業規則に競業避止義務を規定し、「退職後2年間は同業退社へ行くな」と退職時に常に退職労働者に話をしていたとしても、必ずしも法的拘束力が有るわけではありません。

退職後の競業を禁止する場合において、規定の有効性については、禁止または制限する期間や活動の範囲などを明確にされているか?競業制限の特約の存在、制限の必要性等に応じて、個別対応として判断していくことになります。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。