懲戒規定(懲戒の種類・程度)(就業規則の読み方・活かし方 第15回)
懲戒規定(懲戒の種類・程度)(就業規則の読み方・活かし方 第15回)

懲戒規定(懲戒の種類・程度)

社会保険労務士 江尻育弘
2018年4月2日

懲戒の規定は公務員の規定に倣ったものが一般的です。懲戒は法律上の問題ではなく、企業と職員との契約事項です。よって諭旨解雇とか出勤停止とか設けることはかまいませんが、その種類を明示することが必要です。規定例をご覧ください。

〈〈 規定例 〉〉 

譴責(けんせき)・始末書を提出させて、将来を戒める。
減 給  ・・・ 将来を戒めるとともに、賃金を減ずる。この場合、減給の額は1事案について平均賃金の1日分の半額とし、複数事案に対しては減給総額が該当賃金支払期間における賃金総額の10分の1を超えないものとする。
出勤停止 ・・・ 将来を戒めるとともに、7日以内の期間を定めて出勤を停止し、その期間の賃金を支払わない。
降 格  ・・・ 将来を戒めるとともに、職位を解任もしくは引き下げる。
諭旨解雇 ・・・ 懲戒解雇相当の事由がある場合で本人に反省が認められる時は、解雇事由に関し本人に悦論して解雇する。
懲戒解雇 ・・・ 予告期間を設けることなく即時解雇する。

懲戒の場合、諭旨解雇、懲戒解雇、それ以外、と分けて記載します。全部まとめて記載する場合も有りますが、分けて記載する理由は、懲戒の本質からいっても解雇とそれ以外では意味合いが異なる為です。

解雇以外の懲戒は将来の教育、是正の機会を与えるという点を重点とし、改善の余地があると判断される時に行います。つまり、重大な違反があったとしても今後の改善に期待出来る様な場合の処分です。

しかし、懲戒解雇というのは、重大な企業秩序違反であって、もはや企業との関係を消滅させざるを得ないという判断の時に行います。

一律に企業秩序違反といっても内容や程度も異なってくる為、具体的に列挙します。

また、下記の規定例のように情状によって処分を重くしたり、軽くしたり出来るように記載していくと良いでしょう。

〈〈 規定例 〉〉

●従業員が次の各号の1に該当するときは、その情状に応じ、譴責、減給、出勤停止または降格に処する。但し、行為の程度が著しく重い場合は次条に定める処分に処することがある。

●従業員が次の各号の1に該当するときは、その情状に応じ、諭旨解雇又は懲戒解雇に処する。但し、改悛の情が顕著に認められること、過去の勤務成績が良好であったこと等を勘案し前条の処分にとどめる。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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