休職規定・復職規定(就業規則の読み方・活かし方 第17回)
休職規定・復職規定(就業規則の読み方・活かし方 第17回)

休職規定・復職規定

社会保険労務士 江尻育弘
2018年4月16日

休職規定

休職規定の中で「治癒」という言葉が有りますが、この「治癒」とはどのような状態を指すのでしょうか?
この場合、医学的な「根治」を指すのではなく、従来の業務を健康時と同様に遂行出来る程度に「回復」したことを指し、その判断は使用者が行います。

たとえ持病がある方でも、持病とうまくお付き合いをして仕事をしているのであれば、問題ないわけです。病気の原因を突き止めるというよりも、完全な業務遂行が果たせるかの判断が必要となります。

規定中に「欠勤後2ヶ月しても治癒しない場合、休職に入る」という記載は一般的にあります。

しかし、客観的にも欠勤の開始時期が分かるのですが、メンタル面で問題がでた場合、「私は病気ではありません!」と言う事で出勤してくることがあります。

行動、言動からみても充分な労働を果たしているとは言えない時には、「会社の判断により休職を命ずる」という規定を用いて即休職を命ずるという場合もあるのです。

休職は、労働者からの休職権として与えるのではなく、使用者の処分権として命ずる事になります。また、賃金については、労働者側の責任により休職を命ずることになりますので、就業規則などで特別な定めがない限り、ノーワークノーペイの原則により無給となります。

復職規定

<規定例>

  1. 休職期間満了時に休職事由が消滅しない場合は当然退職とする。
  2. 復職を申し出る場合は医師の診断書を提出しなければならない。
  3. 会社が診断書を発行した医師に事情聴取を求めた場合、従業員はその現実に協力しなければならない。
  4. 医師の診断書が提出された場合でも会社の指定する医師の検診を命ずる事がある。

規定例2において、主治医が「復職可能」と記載すれば、必ず会社は復職させる義務があるわけではなく、会社は一事情としてとらえることになります。

それは、個別のケースによりますが、担当医師がどこまで休職前の業務を理解して「復職可能」と判断しているのかという部分があるからです。

その点からも、提出された診断結果については、会社は事情の確認が必要ですし、労働者も事情聴取を行えるように協力する義務があります。

あるいは、診断書が提出された場合でも、産業医などの会社の業務内容を理解している医師に、会社の立場から通常通りの仕事ができるのかを判断して見極めてもらうこともあります。

最終的には使用者が判断しますので、総合的に判断するためのルールを就業規則に定めておく必要があります。

基本的には労働者が「仕事ができます」と証明するのか、使用者が「あなたは仕事ができません」と判断するのか、どちらかというと、労働者が「仕事ができます」と言う具合に、使用者にきちんと証明しなければいけないのです。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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