健康管理の問題 (就業規則の読み方・活かし方 第18回)
健康管理の問題 (就業規則の読み方・活かし方 第18回)

健康管理の問題

社会保険労務士 江尻育弘
2018年5月16日

健康診断は健康問題、メンタル問題として大変重要になってきています。

労働者は労働力を使用者に提供し、使用者はそれに対して賃金を支払う事になる為、労働契約の考え方が前提として必要になります。

労働者は通常業務を支障なく遂行する労務提供義務がある為、私傷病に伴い業務が不完全であるということは普通解雇事由に該当します。

労働契約上、労働者には自己保健義務(自らの健康を保持する義務)があり、使用者は安全配慮義務(労働者の安全と健康に配慮する義務)を負っています。

ここでいう、「安全配慮義務」というのは、あくまでも労働者の労働を受け取った場合に発生します。労働義務が不完全であれば労働を受け取らないということも出来ます。

例えが悪いかも知れませんが、物の売買においても欠陥の商品を持ってこられても正規の料金で受け取る必要はありませんよね。労働契約は人と人との問題では有りますが、同じことが言えるのです。

健康診断の目的は「使用者が労働者の通常業務を支障なくこなしていけるかを見極める為の手続き」です。
健康診断は使用者に対し刑事罰を持って実施が強制されており、労働者は受診義務があります。また、特別な理由なく受診を拒否する場合は懲戒処分に該当することもあります。

ただし、健康診断の結果については高度な個人情報となりますので、外部に流出しないように取り扱いや管理には充分な配慮が必要です。

健康診断についての規定では、

  1. 従業員の受診義務
  2. 受診しない場合の懲戒処分
  3. 異常所見があったときの再受診
  4. 正当な理由なく再検査を受診しない場合には労務提供の受領拒否
  5. メンタル面において客観的に完全な労務提供がなされているのか、見極めるための受診命令といった規定を定めて置く方が良いでしょう。

客観的に完全な労務提供がされない中で健康診断の受診を拒否した場合、完全な労務提供がなされているのか判断が出来ませんので労務提供を受け取らないという判断もあると思います。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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