コミュニケーションの原則

離職とコミュニケーションは大きく関係しています。

2019年(令和元年)の厚生労働省の雇用動向調査で、「前職を辞めた理由」が「職場の人間観関係が好ましくなかった」と答える人の数が平成30年に比べて、男性では1.6ポイント、女性で3ポイント上昇したことがわかりました。上記の理由は男性の理由として第3位、女性の理由としては第2位となっていて、上昇幅は他の項目(「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」など)に比べて最も大きくなっています。(厚生労働省HP 『2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要』「4.転職入職者の状況」より)

コロナ禍の現在、リモートワークで顔を合わせることが少なくなり、大人数での飲食も制限される中でコミュニケーションをどのように取るべきなのか、その影響など注視していく必要があります。

そこで、県内外で人材育成、人事評価制度、チームマネジメントなど人事全般のコンサルタントとして活躍する、幸喜穂乃先生に、今回は人間関係で重要や「コミュニケーション」についてコラムを寄せていただきました。

信頼関係を築くコミュニケーションの原則

「なかなか思ったことが相手に伝わらない」「理解してもらえない」というお悩みはありませんか?管理職や経営者としてコミュニケーション力はとても重要ですが、難しいと思っている方も多いようです。職場内でのコミュニケーションが仕事の成果に直結するのはもちろん、社員の定着や離職予防にも大きく影響を与えるものです。その前提となる信頼関係を築く上でも欠かせないスキルとしてのコミュニケーションの原則について綴ってまいります。

コミュニケーションとは

コミュニケーション(英: communication)とは、「伝達」「通信」「意思疎通」などの意味の表現。「交流を図る」「意思を伝え合う」といった行動を指す意味合いで用いられることも多い。言葉を使った意思疎通だけでなく、文字を使った伝達、身振り手振りによる意思表示などもコミュニケーションに該当する。

コミュニケーションとは、人が自分の情報(知覚、思考、感情など)を伝達することで、言語だけでなく非言語や文字も含まれています。その語源でみると

コミュニケーション(communication)は英語の動詞 communicate に接尾辞を付けて名詞(抽象名詞)化した単語である。動詞 communicate は「(情報を)伝達する」という意味がある。語源はラテン語で「分かち合う」を意味する「communis」である。なお英語の common(共通する)なども同じ語源の単語である。

コミュニケーションは一方的な伝達も含まれますが、ここでは語源の「分かち合う」や「共通の」という観点からお互いの情報(知覚、思考、感情等)の共有として「一方的な情報伝達ではなく、双方向で情報を共有しあうこと」がコミュニケーションとして定義します。その上で、信頼関係を築くコミュニケーションをとるために抑えておきたいコミュニケーションの原則をお伝えします。

コミュニケーションの原則1:相手にある

信頼関係を築くコミュニケーションの原則、それはコミュニケーションの主役が「相手(受け取る側)にある」ということです。

よくコミュニケーションはキャッチボールにも例えられます。よいキャッチボールをするためには、投げる方が自分の投げたいボールを相手に投げ込むのではなく、キャッチする・受け取る側の状況や状態に応じたボールを投げることで成立します。新人にいきなり豪速球を投げても、とうてい受け取れるはずはありません。キャッチボールではなくドッヂボールになってしまいます。

コミュニケーションでいうと相手(受け取る側)の知識や技術のレベルを知ることから始まります。どんな知識を持っていて、どんな経験があり、職場内や業種で共通する言語をどのくらい持っているのかを知る必要があります。もちろんそれらを知ることからがコミュニケーションです。

特に育成においては、相手が受け取る状態にあるかどうかに気を配る必要があります。睡眠不足じゃないか、疲れてないか、ぼーっとしてないか。本人に受け取るスキルは揃っていても、状態が追いつかない場合は、放ったボールをキャッチしそこねてしまいます。相手にしっかりキャッチしてもらえるよう、相手が受け取れる状態になってから届けていきたいものです。

コミュニケーション

コミュニケーションの原則2:質より量

信頼関係を築くコミュニケーションの原則の2つ目は「質より量」です。

よいコミュニケーションというと、深くいい情報を伝えていかなきゃと質を重視してつい構えたくもなります。そうすると気軽に声をかけづらかったり、タイミングを考えて時間だけが過ぎていったり。また相手も構えてしまい、結果的に信頼関係を築くのに時間を要してしまったということになりかねません。時間が過ぎるほどに、こんなことも知らなかった、とお互いに言い出しづらくもなるものです。

そのためにも「質より量」。単純にコミュニケーションをとる数を増やしていくことがポイントです。挨拶はもちろんですが、その前後に一言添えることをオススメします。「◯◯さん、おはよう」と挨拶の前に名前を呼ぶ、挨拶のあとに「おはよう、最近、あたたかくなったね」、「玄関の花きれだったね」など、天気や身の回りの変化などほんのちょっとした一言を添えるだけで十分です。回数を重ねるだけで、相手は少しずつ警戒心がほぐれてさらに踏み込んだコミュニケーションへ進めていくことができます。

心理学では、これをザイオンス効果(単純接触効果)といっています。

ザイオンス効果とは、同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる効果のことです。日本語では「単純接触効果」と呼ばれています。

最初は全く興味なかったことにも、何度も接するうちに次第に打ち解けたり、好意を抱いていきます。その状態だと相手の話を聞いてみようとコミュニケーションがスムーズになることにつながっていきます。 だからといって、むやみやたらに相手の状況や状態を考えずに数を重ねるのは逆効果になりますので、コミュニケーションの原則その1にも意識を払いながら数を重ねていってください。

信頼関係を築くコミュニケーションの原則は、いかがだったでしょうか?

私達の周りにはいろんな価値観を持つ方ばかりです。同じようなコミュニケーションがすべて受け入れられるとは限りません。一度に深くコミュニケーションを取ることばかりをせず、相手にあわせて、回数を重ねて徐々に質を深めていくとよいですね。その間にきっと土台となる信頼関係を築けていけます。ぜひコミュニケーションの原則を意識してみてください。

 

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