求人票作成のツボ 第1回
ハローワークでの求人を専門とする社会保険労務士 五十川将史氏の著書をもとに、10月から12月にかけて計3回、ハローワークでの求人と求人票作成のツボを一部紹介していきます。
社会保険労務士 江尻事務所
上江田晋作
どんなに急いで求人を出したくても、ハローワークで求人申込書を書いてはいけない
ハローワークで求人申込書を作成する場合、窓口で説明を受けたあとに記入例を見ながら、その場で記入し、窓口で求人申込書をしますが、ハローワークでの求人を専門とする社会保険労務士 五十川将史氏は、ハローワークで求人申込書を書いてはいけない理由を以下のように述べています。
”皆さんは、「3分間で自己PRしてください!」と突然振られたら対応できるでしょうか。・・・(就職試験の)採用面接で「自己紹介を3分でお願いします」と伝えたにもかかわらず、自己分析など事前準備もしないままに面接に臨んだ上に、30秒や1分で終わらせる応募者がいたら、「この人は、その程度の意欲しかない」と判断するのではないでしょうか。ハローワークの求人の世界では、立場が逆のことが起きているのです。” (『ハローワーク採用の絶対法則 0円で欲しい人材を引き寄せる求人票の作り方』誠文堂新光社 五十川将史著)
十分な情報を書けない場合、求職者から「その程度の意欲しかない会社」と見られる危険性があるのです。「意欲」だけならまだしも、本来提示するべき条件がうまく伝わらず、不利に働くこともあるのではないでしょうか。
採用してすぐに「騙された」と言われないための給料の表示方法
求職者から見て、企業のイメージは非常に重要です。特に「ブラック企業」と呼ばれるところには就職したくないというのがほとんどでしょう。企業もそのようなを烙印が押されると、さらに採用と定着が難しくなります。
近年、固定残業代とその適用方法が社会問題となり、監督署も目を光らせています。 厚生労働省からも固定残業代を採用する場合に明示するものとして以下の項目をあげています。
固定残業代を除いた基本給の額
固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
固定残業代を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
”ハローワークの窓口でも確認されているのですが、「過勤手当」「業務手当」「営業手当」といった名称の場合や、そもそも基本給に組み込まれている場合には、見逃されているケースも散見されます。” (『ハローワーク採用の絶対法則 0円で欲しい人材を引き寄せる求人票の作り方』誠文堂新光社 五十川将史著)
「騙された」と「ブラック企業」のレッテルが貼られないためにも、しっかりとわかりやすく記載することが必要です。