健康経営 第11回
社会保険労務士 江尻事務所(健康経営アドバイザー 江尻育弘(東京商工会議所・認定番号 19000112))は沖縄県内でより多くの企業に「健康」について知ってもらい、取り組んでもらうことができれば、県内の労働環境の改善につながると考えております。(「健康経営について」を読む ›)
従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康に関して投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されています。
沖縄にやってくるプロのスポーツ選手のコンディションを管理されている株式会社ヘルスケアグループファルコン 代表取締役の磯谷貴之様に、ご専門である身体の健康についてコラムを寄せていただいております。
新型コロナウイルス感染症の流行のため、外出もできず自宅に籠りきりになり、ストレスを抱えている方も多くいらっしゃるかと思います。その結果、心身のバランスを崩してしまう人たちも中にはいるのではないでしょうか。連載第7回からはこのコロナ禍における、「運動の役割」や「運動によって心身を整える」ことを中心にお話しいただきます。
連載第11回は「むくみが気になる人の勘違い」です。
むくみが気になる人の勘違い
むくみが強い人は○○が足りない
最近は女性だけでなく、男性でも【むくみ】体質の人は非常に多いです。
顔、アゴまわり、背中、二の腕、太もも、ふくらはぎ・・・
「仕事が終われば靴下の跡がふくらはぎにくっきり」 という方も多いのではないでしょうか?
むくみ体質の人に多い勘違いが、「むくみやすいので水分控えめにしてます」という声です。 結論から言うと「逆」です。
水分が【少ないから】むくみます。
水分が少ないから体内に残そうとする
体内に水分が少ないと、脳が水分を体内に残そうとして、発汗や利尿を抑えようとします。
体内から水分が失われると生命に関わるので、脳が危険を察知するんですよね。
その状態になるとわずかな水分摂取でも体内に残るので、むくみにつながります。
また水分摂取の少なさは足やふくらはぎがつりやすくなる原因にもなるため、「最近よくふくらはぎをつるな〜」と自覚のある方も、1日の水分摂取量を振り返ってみると良いと思います。
目標は1日1.5ℓの水分摂取
ではどのようにむくみを解決するか?
ずばり、【こまめな水分摂取】です。
可能なら一日1.5ℓは水分を取りたいですね。 「体重×0.03ℓ」という計算式で目安を決める方法もありますが、1.5ℓを目安にして良いと思います。
小さなコップ一杯の常温の水を、こまめに摂取するのが理想です。
砂糖や果糖たっぷりの甘い清涼飲料水はもちろんNGです。
糖質入りコーヒーや紅茶、スポーツドリンク、人工甘味料の含まれる味付きの水などを摂取すると、体重増加の原因になります。
利尿作用のあるコーヒーや緑茶も、一日の水分摂取量のカウントには含まないでください。
水道水やミネラルウォーターで十分です。
「こんなに飲んだらトイレに行く回数が増えるのでは?」と言う方も多いですが、尿が薄まれば膀胱への刺激は少なくなるので、尿として出る量はそれほど変わりません。
そして積極的な水分摂取は基礎代謝が上がるので、ダイエット効果もあります。
余談ですが、食事中にやたら水を飲む人もいますが、糖質のとりすぎが原因の場合が多いです。
ご飯大盛り、ラーメン替え玉、・・・
糖質をたくさん取ることで血糖値が爆発的に上がるので、 血糖値を抑えるために水分摂取したくなるんですね。
甘い物を食べると水分が欲しくなるのも同じ原理です。
これらのケースは状況が違うので、今回の話と混合しないでくださいね。
慢性的にむくみが強い人は、一度「積極的な水分摂取」を試してみてください。