人事労務ニュース
人事労務ニュース

文書作成日:2022/5/17

新型コロナによる休業により労働時間が短くなり退職した場合は「特定理由離職者」に

 新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の影響が長引いており、引き続き休業する企業もまだ多くあります。休業が続くことで労働時間が短くなり2022年5月1日以降に退職を選んだ従業員の雇用保険の取扱いが周知されたことから、その取扱いについて取り上げます。また雇用保険に関連して、不正受給と判断された場合の処分についてもあわせて確認します。

[1]5月1日以降からの取扱い
 5月1日以降に、新型コロナの影響により、事業所が休業し、概ね1ヶ月以上の期間、労働時間が週20時間を下回った、または下回ることが明らかになったことにより退職した場合、雇用保険の求職者給付の受給において、「特定理由離職者」と判断されることになりました。特定理由離職者と判断されることで、求職者給付において給付制限(退職後に一定期間、求職者給付を受けられない期間)が設けられないことになります。なお、この休業は、1日の一部の時間のみが休業となる部分休業の場合も含まれ、また休業手当が支給されたかは問われません。また、シフト制労働者に関しては、同様の取扱いがすでに2021年3月31日以降の退職から行われています。

[2]雇用保険基本手当等不正受給の際の処分
 本来、基本手当等を受けることができないにも関わらず、不正な手段により支給を受けたり、受けようとしたりした場合、不正受給処分を受けることになります。不正受給処分の具体的内容としては、以下のようなものがあります。

  1. 不正のあった日から、基本手当等の支給を受ける権利がなくなる。
  2. 不正な行為により支給を受けた金額は、全額返還しなければならない(返還命令)。
  3. さらに悪質な場合、不正行為により支給を受けた金額の最高2倍の金額の納付が命じられる(納付命令)。
 3については、いわゆる「3倍返し」として、2と併せて不正受給した金額の3倍の金額を納めることになります。この場合、財産の差し押えが行われることがあり、また詐欺罪などにより処罰されることもあります

 事業主が離職票に虚偽の記載を行う等、偽りその他不正の行為をした場合、不正に受給した人と連帯して、不正受給金の返還、納付命令を課されるほか、詐欺罪として刑罰に処せられる場合があります。退職理由を確認し、正しく記載しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例のお知らせ」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000931287.pdf

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。




今年度の地方労働行政運営方針が策定されました2022/05/10
セルフケアとラインケア、企業に求められるメンタルヘルス対策2022/05/03
今年も4月より始まった「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン2022/04/26
4月より改正されたくるみん認定の認定基準と新たな認定制度「トライくるみん」2022/04/19
4月以降の雇用調整助成金の特例措置と申請内容の確認強化2022/04/12
上期・下期で変更となる2022年度の雇用保険料率2022/04/05
育児休業を取得しやすい雇用環境整備における留意点2022/03/29
転職活動で約4割が求人サイトを利用2022/03/22
3月分以降の協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率2022/03/15
シフト制で労働日や労働時間を決定・変更する際の留意点2022/03/08
定年再雇用時等に社会保険料の負担を軽減できる同日得喪の手続き2022/03/01
無用な解雇トラブルを防止するために知っておきたい解雇予告の注意点2022/02/22
引下げとなる2022年度の年金額と在職中の年金受給の在り方の見直し2022/02/15
新設された業務改善助成金(最低賃金引上げの助成金)の特例コース2022/02/08
36協定を遵守するための実務上の注意点2022/02/01
なぜ江尻事務所が100年続く組織づくりをお手伝いするのかお客様の声 江尻事務所を選んでいただいたきっかけ江尻事務所のコラム事務所案内福祉施設の施設長に役立つ情報をお届けしています。医療・福祉版 社会保険労務士江尻事務所
お電話でのお問い合わせメールでのお問い合わせ

社会保険労務士江尻事務所
〒901-0155
沖縄県那覇市金城5-8-10 2F
メールアドレス

SDGsの取り組み 江尻事務所ができること

 
 

著書

職場の難問2■職場の難問Q&A 労働条件・人事・給与 メンタルヘルス・職場の活力 全100Q&A
出版:医学通信社 全国書店にて発売中

著書一覧を見る ›

社会保険労務士(社労士)について

社会保険労務士(社労士)は主に労働基準法などの労働法をもとに労働環境の整備や労務トラブルの問題解決を行なっています。その他、入職・退職の際に発生する雇用保険・社会保険の手続き、出産育児一時金や出産手当金、助成金の取得などを行なう人事労務管理のエキスパートです。

労働問題などのトラブル対応だけでなく、業務改善・作業効率化にも強く、生産性の向上などにも力を入れて適切な指導とアドバイスを行い、サポートします。

詳しく読む ›