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沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和86月分 / 経営者向けエグゼクティブ版                                                                                                            1 / 4 ページ・結論

主要指標(令和86月)

有効求人倍率(季調)

1.09

前月比 ▲0.02ポイント

実質賃金(試算・5月)

▲0.8%

共通事業所・きまって支給

那覇市CPI

+1.0%

帰属家賃を除く総合

45歳以上比率

53.3%

有効求職者に占める

 

今月の最重要メッセージ

求人の縮小が続くなかで、製造業だけが突出して伸びています。

有効求人倍率(季調)は1.09倍で前月から0.02ポイント低下し、新規求人数は14か月連続、月間有効求人数は32か月連続で前年を下回りました。倍率低下は求職の減少ではなく求人の減少が主因です。一方で製造業の新規求人は前年比+50.3%(食料品製造業+104.8%)と際立ちます。賃金は、サンプル入替効果を除いた共通事業所ベースでみると実質はほぼ横ばい(試算▲0.8%)で、物価上昇に賃金が追いついていない状況です。

 

今月の3つの示唆

@

採用戦略

求職者の53.3%45歳以上です。シニア・ミドル層を主軸に据えた採用設計が引き続き有効です。

A

賃金・処遇

実質賃金は横ばい圏(試算▲0.8%)です。物価上昇に賃金が追いつくかが分岐点で、上回る改定を示せれば採用優位を作れます。

B

定着(リテンション)

所定外労働時間+12.2%が続いています。36協定上限の点検と1on1の頻度確保を推奨します。

 

今月の特記事項

 

新規求人数(就業地別・全数)は9,020人で前年同月比▲9.1%14か月連続の減少ですが、そのなかで製造業のみが+50.3%と大きく増加しました。医療・福祉の新規求人は2,946人(前年比▲2.6%)で、全産業がひと月に充足できた人数(1,195人)の約2.5倍にのぼり、人手不足は物理的な水準で続いています。

ハローワーク別では宮古1.92倍・八重山1.51倍と離島が高い一方、前年からの低下は八重山▲0.17、名護▲0.12と離島・北部で目立ちます。沖縄(中部)は0.87倍で県内唯一1倍を下回っています。地域ごとの採用環境の差にご留意ください。

本レポートは沖縄労働局「労働市場の動き 令和86月分」、沖縄県企画部統計課「毎月勤労統計調査地方調査 令和85月分」、総務省統計局「那覇市消費者物価指数 令和86月分」の公表データに基づき作成しています。実質賃金の試算値(▲0.8%)は、サンプル入替効果を除いた共通事業所ベース名目賃金(きまって支給する給与 前年比+0.2%)から那覇市CPI(帰属家賃を除く総合)+1.0%を差し引いた簡易計算です。毎勤付表2-1の本系列実質賃金(きまって支給する給与+8.4%)はサンプル入替効果を含み実勢と大きく乖離するため、本レポートでは実勢に近い共通事業所ベースを採用しています。

社会保険労務士 江尻事務所 / confidential

 

     

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和86月分 / 経営者向けエグゼクティブ版                                                                                                    2 / 4 ページ・外部環境

採用市場の動き

有効求人倍率(季節調整値・就業地別)は1.09倍で、前月から0.02ポイント低下しました。新規求人倍率も1.81倍と前月から0.03ポイント低下しています。月間有効求人数は32か月連続、新規求人数は14か月連続で前年比マイナスとなっており、求人の縮小が基調として続いています。求職者数はほぼ横ばいで、倍率低下は求人減が主因です。

指標

当月値

前月比/前年同月比

有効求人倍率(季調)

1.09

前月比 ▲0.02ポイント

新規求人倍率(季調)

1.81

前月比 ▲0.03ポイント

月間有効求人数(季調)

28,709

前月比 ▲2.2%▲645人)

新規求人数(季調)

9,428

前月比 ▲4.9%▲485人)

月間有効求職者数(原数値)

26,599

前年同月比 ▲4.7%

新規求職申込件数(原数値)

4,969

前年同月比 ▲0.5%

業種別の主要動向(資料4-2:就業地別・新規求人数)

業種

新規求人数

前年同月比

コメント

医療・福祉

2,946

▲2.6%

求人量は最大、人手不足継続

サービス業(他に分類されないもの)

1,064

▲13.8%

対人サービスの縮小

宿泊業,飲食サービス業

943

▲9.8%

観光関連が弱含み

卸売業,小売業

728

▲18.3%

2桁減が継続

建設業

674

▲15.8%

公共・民間とも減速

製造業

466

+50.3%

食料品製造業(+104.8%)が牽引

地域別の温度差(本体第4表:ハローワーク別有効求人倍率・原数値)

ハローワーク

有効求人倍率

前年同月差

特徴

那覇

1.01

▲0.05

県都、ほぼ1倍水準

沖縄(中部)

0.87

+0.03

県内唯一1倍未満、前年から改善

名護

1.27

▲0.12

北部、低下幅が大きい

宮古

1.92

▲0.07

県内最高、需要は高水準

八重山

1.51

▲0.17

低下幅が県内最大

賃金と物価の動き

毎月勤労統計(令和85月・規模5人以上)の本系列では、きまって支給する給与が249,903円で前年同月比+9.9%と大きく伸びていますが、県レベルの標本ではこの伸びにサンプル入替効果が多く含まれます。入替効果を除いた共通事業所ベースでは、きまって支給する給与は前年比+0.2%(現金給与総額+1.2%)にとどまります。那覇市CPI(持家の帰属家賃を除く総合)+1.0%を差し引いた実質賃金の試算値は▲0.8%(現金給与総額ベースでも+0.2%)で、実勢はほぼ横ばい〜小幅マイナスです。物価上昇に賃金が追いついておらず、賃上げ原資の確保が引き続き課題です。なお6月の那覇市CPI(総合)は前年比+1.7%です。

本ページのデータは沖縄労働局「労働市場の動き 令和86月分」資料1-22-24-2・本体第4表、沖縄県「毎月勤労統計調査地方調査 令和85月分」付表1-1・共通事業所参考系列、総務省統計局「那覇市消費者物価指数 令和86月分」に基づきます。

社会保険労務士 江尻事務所 / confidential


 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和86月分 / 経営者向けエグゼクティブ版                                                                                       3 / 4 ページ・自社へのヒント

職種別の人手不足ランキング(資料10:就業地別・新規求人倍率)

新規求人倍率が高い職種ほど、募集をかけても応募が集まりにくい状況です。求人・求職者数が極端に少ない職種は除いています。自社の職種と照らして、採用の難易度をご確認いただけます。

職種

新規求人数

新規求職者数

求人倍率

状況

保健医療サービス職業従事者

187

31

6.03

深刻な不足

建築・土木・測量技術者

240

48

5.00

深刻な不足

接客・給仕職業従事者

626

137

4.57

深刻な不足

介護サービス職業従事者

740

174

4.25

不足

建設・採掘従事者

360

89

4.04

不足

職種別の賃金ギャップ(資料11:求職希望賃金 vs 求人平均賃金・月給)

職種

求職希望賃金

求人平均賃金

差額

示唆

建築・土木・測量技術者

279,143

351,284

+72,141

広報強化

建設躯体工事従事者

214,000

273,941

+59,941

広報強化

建設従事者(躯体除く)

238,095

292,738

+54,643

広報強化

医師・歯科医師・獣医師・薬剤師

390,000

353,141

▲36,859

賃金見直し

運輸・郵便事務従事者

273,333

226,970

▲46,363

賃金見直し

企業規模別の構成(参考)

沖縄県の新規求人は依然として小規模事業所(29人以下)に集中しており、6月の就業地別新規求人9,020人のうち29人以下が5,594人(62.0%)を占めています。中堅・大規模企業(300人以上)の合計は649人(7.2%)にとどまり、二極化構造が続いています。増加しているのは500人以上の大規模層のみで、中小規模はいずれも前年割れとなっており、中小企業同士の採用競争が市場の主戦場となっています。

今月の活用ポイント

 

「賃金で勝てる職種」と「働きがい・処遇で勝負する職種」を分けて考える時期です。

建設・技術職のように求人賃金が希望を大きく上回る職種では、求人票の見せ方や情報発信の工夫だけで採用優位を作れます。一方、保健医療サービス・介護・接客のように人手不足が極めて深刻な職種では、賃金水準そのものに加え、労働時間管理や教育体制など総合的な処遇の見直しが採用力につながります。医師・運輸事務のように求職者の希望額が求人額を上回る職種では、募集条件の再設計をご検討いただけます。

本ページのデータはすべて沖縄労働局「労働市場の動き 令和86月分」資料10114-2に基づきます。

社会保険労務士 江尻事務所

 

     

 

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令和86月分 / 経営者向けエグゼクティブ版                                                                                                    4 / 4 ページ・次の一手

今月のアラート・チェックリスト

経営者ご自身で、自社の状況を点検したいときにご活用ください。

確認項目

今月の市場の状況

対応の目安

実質賃金がマイナスになっていないか

共通事業所ベースで横ばい〜小幅マイナス(試算▲0.8%

要モニタ

医療・福祉の充足状況

求人▲2.6%・充足数の約2.5倍の求人量で人手不足継続

要モニタ

36協定の上限に近づく残業増がないか

所定外労働時間 前年同月比+12.2%

要対応

地域別の採用環境の変化

八重山▲0.17・名護▲0.12と離島・北部で低下

要モニタ

最低賃金改定・処遇改善加算の確認時期

秋の最低賃金改定期が接近

確認推奨

次の一手のヒント

シニア・ミドル層を前提にした採用設計

求職者の53.3%45歳以上です。年齢に依存しない職務設計、短時間・多様な勤務形態、経験者の即戦力採用を軸に、募集要件と受け入れ体制を見直すことで採用の幅が広がります。

 

物価を上回る賃上げの提示と求人票の見直し

実質賃金は共通事業所ベースでほぼ横ばい(試算▲0.8%)で、物価上昇に賃金が追いついていません。建設・技術職では求人平均賃金が希望額を上回っており、賃金水準を求人票で明確に訴求するだけで採用優位を作れます。物価上昇(那覇市CPI+1.7%)を上回る改定を示せるかが分岐点です。

 

労働時間管理と定着施策の両立

所定外労働時間は前年比+12.2%で増加傾向です。36協定の上限管理、勤怠の可視化、面談頻度の確保など、採用と並行して定着(リテンション)の打ち手を進めることで、採用コストの抑制につながります。

社会保険労務士 江尻事務所

本レポートは沖縄労働局「労働市場の動き 令和86月分」、沖縄県企画部統計課「毎月勤労統計調査地方調査 令和85月分」、総務省統計局「那覇市消費者物価指数 令和86月分」の公表データに基づき作成しています。実質賃金の試算値(▲0.8%)は、サンプル入替効果を除いた共通事業所ベース名目賃金(きまって支給する給与+0.2%)から那覇市CPI(帰属家賃を除く総合)+1.0%を差し引いた簡易計算です。毎勤付表2-1の本系列実質賃金(きまって支給する給与+8.4%)はサンプル入替効果を含むため実勢と乖離します。数値は原資料の値をそのまま記載しています。本レポートの内容に関するご質問や、自社の採用・賃金・労務管理への活用について、江尻までお気軽にご相談ください。