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「就業規則の読み方・活かし方」本則編
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沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和83月分 / 経営者向けエグゼクティブ版 / 1/4ページ・結論

主要指標(令和83)

有効求人倍率(季調)

1.08 

前月と同水準

実質賃金(試算・2)

+4.5 %

共通事業所ベース

那覇市CPI

+0.8 %

帰属家賃除く総合

45歳以上 比率

53.6 %

有効求職者に占める

 

今月の最重要メッセージ

求人縮小が続く一方、就職件数は増加に転じました。

新規求人数は11か月連続マイナス、有効求職者数は18か月連続マイナスと「市場縮小」が続いていますが、3月は就職件数が前年比+5.3%8か月ぶりに増加。賃金は名目・実質ともプラスを維持しており、採用に動ける企業には追い風が続いています。

今月の3つの示唆

採用戦略

求職者の53.6%45歳以上。シニア・ミドル層を主軸に据えた採用設計が引き続き有効です。

賃金・処遇

実質賃金プラスの局面。物価上昇を上回る賃上げを示せれば採用優位を作れます。

定着(リテンション)

所定外労働時間+12.6%が継続。36協定上限の点検と1on1の頻度確保を推奨します。

 

今月の特記事項

令和7年度の年度平均有効求人倍率は1.09倍で、前年度より0.02ポイント低下しました。3月は新規求人倍率が前月+0.12Pの大幅上昇、就職件数も8か月ぶりに増加と、年度末特有の動きが見られます。一方、医療・福祉の新規求人は前年比▲1.7%で、求人縮小トレンドは継続しています。

沖縄労働局は5月の看護月間に合わせて「看護職求人キャンペーン」を実施します(5/15/31)。医療・看護分野の人材確保にお悩みの場合、ハローワークと沖縄県看護協会の合同職業相談やジョブセミナーをご活用いただけます。

 

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和83月分 / 経営者向けエグゼクティブ版 / 2/4ページ・外部環境

採用市場の動き

有効求人倍率(季節調整値・就業地別)1.08倍で、前月と同水準。新規求人倍率は1.91倍と前月から0.12ポイント上昇しましたが、これは年度末特有の求人増加によるもので、基調としては求人縮小が継続しています。月間有効求人数は29か月連続、新規求人数は11か月連続で前年比マイナスとなっています。

指標

当月値

前月比/前年同月比

有効求人倍率(季調)

1.08

前月比 ±0.0P

新規求人倍率(季調)

1.91

前月比 +0.12P

月間有効求人数(原数値)

31,921

前年比 ▲5.5%(29か月連続減)

新規求人数(原数値)

10,295

前年比 ▲2.1%(11か月連続減)

月間有効求職者数

28,594

前年比 ▲5.2%(18か月連続減)

就職件数

3,696

前年比 +5.3%(8か月ぶり増)

 

業種別の主要動向

業種別の新規求人数(前年同月比)を見ると、生活関連サービス業・娯楽業(+18.2%)、宿泊業・飲食サービス業(+7.6%)、製造業(+1.6%)が増加した一方、建設業(▲17.6%)、卸売業・小売業(▲6.2%)、サービス業(▲5.3%)は減少しました。医療・福祉も▲1.7%と縮小が続いています。

業種

新規求人数

前年同月比

医療・福祉

3,164

▲1.7%

宿泊業・飲食サービス業

1,156

+7.6%

卸売業・小売業

815

▲6.2%

建設業

714

▲17.6%

生活関連サービス業・娯楽業

442

+18.2%

情報通信業

477

▲4.2%

 

地域別の温度差

ハローワーク別の有効求人倍率(原数値)には地域差があります。八重山が前年から大きく低下した点が今月の注目点です。

ハローワーク

倍率

前年同月差

コメント

八重山

1.47

▲0.47P

観光関連の調整局面

宮古

1.59

+0.03P

県内最高水準を維持

名護

1.37

▲0.05P

ほぼ横ばい

那覇

1.12

+0.05P

緩やかに上昇

沖縄(中部)

0.95

▲0.03P

1倍を下回る状況が継続

 

賃金と物価の動き

毎月勤労統計(沖縄県・令和82月分)の現金給与総額は前年同月比+13.5%ですが、これにはサンプル入替効果が含まれます。共通事業所ベース(同一事業所での比較)+4.9%が実態に近い数値です。那覇市CPI(帰属家賃を除く総合)+0.8%上昇しており、共通事業所ベースの賃金上昇率は物価上昇率を上回り、実質賃金(試算)は概ね+4.5%のプラスとなっています。

 

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和83月分 / 経営者向けエグゼクティブ版 / 3/4ページ・自社へのヒント

職種別の人手不足ランキング(求人倍率上位)

どの職種で採用が特に難しいか、求人倍率(新規求人数÷新規求職者数)でご確認いただけます。倍率が高いほど「求職者1人あたりの求人数が多い=採用競争が激しい」を示します。

職種

新規求人

新規求職

求人倍率

状況

接客・給仕職業従事者

720

140

5.14

深刻な不足

建設躯体工事従事者

47

10

4.70

深刻な不足

介護サービス職業従事者

737

159

4.64

深刻な不足

保健医療サービス職業従事者

200

52

3.85

不足

建設業従事者(躯体除く)

140

38

3.68

不足

自動車運転従事者

313

104

3.01

不足

 

職種別の賃金ギャップ(求職希望 vs 求人平均)

求職者が希望する月給と、求人票に記載されている月給の差です。「求人>希望」の職種は、求職者が「条件の良さに気づいていない」可能性があり、求人広報を強化する余地があります。

職種

求職希望

求人平均

差額

示唆

情報処理・通信技術者

228,261

330,202

+101,941

広報強化

建築・土木・測量技術者

264,400

354,458

+90,058

広報強化

看護師

270,672

255,347

▲15,325

賃金見直し

介護サービス職業従事者

193,256

216,147

+22,891

条件訴求

接客・給仕職業従事者

209,273

238,178

+28,905

条件訴求

 

企業規模別の構成(参考)

沖縄県の新規求人は依然として小規模事業所(29人以下)に集中しており、3月の就業地別新規求人10,295人のうち29人以下が6,197(60.2%)を占めています。中堅・大規模企業(300人以上)の合計は715(6.9%)にとどまり、二極化構造が継続しています。中小企業同士の採用競争が市場の主戦場となっています。

今月の活用ポイント

「賃金で勝てる職種」と「働きがい・処遇で勝負する職種」を分けて考える時期です。

情報・建設技術職のように求人賃金が希望を大きく上回る職種では、求人票の見せ方や情報発信の工夫だけで採用優位を作れます。一方、看護・介護のように人手不足が極めて深刻な職種では、賃金水準そのものに加え、労働時間管理や教育体制など総合的な処遇の見直しが採用力につながります。

 

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート

令和83月分 / 経営者向けエグゼクティブ版 / 4/4ページ・次の一手

今月のアラート・チェックリスト

経営者ご自身で、自社の状況を点検したいときにご活用ください。

確認項目

今月の市場の状況

対応の目安

実質賃金がマイナスになっていないか

プラス(試算+4.5%)

良好

医療・福祉の充足状況

求人▲1.7%・人手不足継続

要モニタ

年度始めの残業実績が想定を上回っていないか

全産業 所定外+12.6%

要対応

パートタイム比率の急変動がないか

30.0%(前年差▲4.0P)

要対応

処遇改善加算の申請時期

次回申請に向け準備

確認推奨

離職率の動き

全産業 離職率2.04%

良好

八重山地域の倍率急落

1.94→1.47(▲0.47P)

要モニタ

建設業の新規求人急減

▲17.6%(前年同月比)

要モニタ

 

次の一手のヒント

今月のデータから読み取れる、貴社で次に検討いただきたいアクションを整理しました。

求人票の見直し(採用戦略)

情報・建設技術職などで賃金優位がある場合、求人票での見せ方が成果を左右します。求人賃金が求職者の希望水準を上回っていることを職種カテゴリーや福利厚生欄で明示することで、応募増につながります。年度がスタートして約2か月が経過したこの時期は、4月以降の応募状況を振り返り、求人票の改善効果を点検するのに適したタイミングです。

賃金改定タイミングの検討(賃金・処遇)

実質賃金プラスの局面ですが、那覇市CPI(帰属家賃を除く総合)+0.8%上昇しており、生活実感としては物価高が続いています。4月の定期昇給を実施済みの場合は、夏季賞与(多くの企業で6月支給予定)の設計や、10月の最低賃金改定に向けた準備が次の検討タイミングとなります。4月時点で賃金改定を見送られた場合や改定幅を抑制された場合は、夏季賞与での反映や期中の手当新設・見直しといった選択肢もご検討いただけます。賃上げに余裕がない場合は、業務改善助成金やキャリアアップ助成金の活用もご検討いただけます。

残業時間の総点検(定着・リテンション)

全産業の所定外労働時間が前年同月比+12.6%と高水準で推移しています。特に情報通信業は+20.0%、運輸業・郵便業は+40.6%と突出しており、該当業種では4月始期で設定した36協定の時間外上限が業界実態と整合しているかをご確認いただける時期です。年度始めの残業実績が想定ペースを上回って推移する場合、年度後半の上限抵触リスクが高まるため、月次でのモニタリング体制を整えていただくことをご推奨いたします。残業増加は短期的には人手不足の補完になっても、中長期的には離職リスクや健康障害リスクを高めます。

 

本レポートは、沖縄労働局「労働市場の動き(令和83月分)」、厚生労働省「毎月勤労統計調査 地方調査(沖縄県・令和82月分)」、総務省「消費者物価指数(那覇市・令和83月分)」の公表データに基づき作成しています。実質賃金の試算値は簡易計算(共通事業所ベースの名目賃金前年同月比 − 那覇市CPI(帰属家賃を除く総合)前年同月比)であり、厳密な実質賃金とは異なります。各数値は当月速報値のため、確報公表後に改定される場合があります。

本レポートのデータについてのご質問、貴社の状況に応じた個別のご相談は、江尻までお気軽にご相談ください。

社会保険労務士 江尻事務所