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沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート 4月

令和8年4月分 / 経営者向けエグゼクティブ版1 / 4 ページ・結論

主要指標(令和8年4月)

有効求人倍率(季調)

1.12

前月から+0.04ポイント

実質賃金(試算・3月)

+1.8%

きまって支給する給与ベース

那覇市CPI(4月)

+1.0%

帰属家賃を除く総合

45歳以上比率

53.1%

有効求職者に占める


今月の最重要メッセージ

求人縮小が継続する中、月給ベースの実質賃金プラスは維持。賞与減少には注意が必要。

新規求人数は12か月連続マイナス、有効求職者数は19か月連続マイナスと「市場縮小」が続いていますが、有効求人倍率は前月から+0.04ポイント上昇しました。賃金面では、3月の共通事業所ベース現金給与総額が前年比▲4.0%とマイナスに転じましたが、これは賞与等「特別に支払われた給与」の減少が主因で、毎月の給与水準を示す「きまって支給する給与」は+2.6%とプラスを維持しています。


今月の3つの示唆

@

採用戦略

求職者の53.1%が45歳以上です。シニア・ミドル層を主軸に据えた採用設計が引き続き有効です。

A

賃金・処遇

きまって支給する給与ベースの実質賃金はプラスを維持しています。賞与依存の処遇は単月変動が大きいため、月給での競争力強化が安定的な採用優位につながります。

B

定着(リテンション)

3月の所定外労働時間は前年比+6.1%と前月の+12.6%から落ち着きました。年度始めの今、新年度の残業実績モニタリング体制の整備を進める適切な時期です。


今月の特記事項

卸売業・小売業の新規求人が前年比▲20.1%と二桁減、情報通信業も▲16.1%減と業種別の縮小が継続しています。一方、建設業は前月の▲17.6%から+8.2%へ反転し、運輸業・郵便業(+8.5%)、学術研究・専門技術サービス業(+34.9%)も増加に転じました。

沖縄労働局は6月に「めんそ〜れ!観光お仕事キャンペーン」を実施します(6/1〜6/30)。観光ハイシーズン前の人材確保にお悩みの場合、ホテルのお仕事セミナーやバスのお仕事体験会、ミニ企業説明会などをご活用いただけます。


 

本レポートは沖縄労働局「労働市場の動き 令和8年4月分」、沖縄県企画部統計課「毎月勤労統計調査地方調査 令和8年3月分」、総務省統計局・沖縄県統計課「那覇市消費者物価指数 令和8年4月分」の公表データに基づき作成しています。実質賃金の試算値は簡易計算(共通事業所ベース「きまって支給する給与」前年同月比 − 那覇市CPI(持家の帰属家賃を除く総合)3月の前年同月比)であり、毎勤付表2-1の本系列実質賃金(+2.0%)とは異なります。

社会保険労務士 江尻事務所 / confidential

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート 4月

令和8年4月分 / 経営者向けエグゼクティブ版2 / 4 ページ・外部環境

採用市場の動き

有効求人倍率(季節調整値・就業地別)は1.12倍で、前月から0.04ポイント上昇しました。新規求人倍率は1.89倍と前月から0.02ポイント低下しました。月間有効求人数は30か月連続、新規求人数は12か月連続で前年比マイナスとなっており、市場縮小基調が継続しています。

指標

当月値

前月比/前年同月比

有効求人倍率(季調)

1.12倍

前月比 +0.04ポイント

新規求人倍率(季調)

1.89倍

前月比 ▲0.02ポイント

月間有効求人数(原数値)

29,450人

前年比 ▲5.4%(30か月連続減)

新規求人数(原数値)

10,414人

前年比 ▲2.7%(12か月連続減)

月間有効求職者数

27,878人

前年比 ▲6.4%(19か月連続減)

就職件数

1,565件

前年比 ▲7.8%(2か月ぶり減)


業種別の主要動向(資料4-2)

業種別の新規求人数(前年同月比)を見ると、学術研究・専門技術サービス業(+34.9%)、運輸業・郵便業(+8.5%)、建設業(+8.2%、前月▲17.6%から反転)が増加した一方、卸売業・小売業(▲20.1%)、情報通信業(▲16.1%)は二桁減となりました。医療・福祉は+0.5%とほぼ横ばいです。

業種

新規求人数

前年同月比

医療・福祉

3,259人

+0.5%

宿泊業・飲食サービス業

1,205人

▲5.7%

サービス業(他に分類されないもの)

1,168人

▲6.6%

卸売業・小売業

900人

▲20.1%

建設業

895人

+8.2%

運輸業・郵便業

525人

+8.5%

学術研究・専門技術サービス業

499人

+34.9%

情報通信業

395人

▲16.1%


地域別の温度差(本体・第4表)

ハローワーク別の有効求人倍率(原数値)には地域差があります。八重山が前年から大きく低下した状況が前月から継続しています。

ハローワーク

倍率

前年同月差

コメント

宮古

1.95倍

+0.05

県内最高水準を維持

八重山

1.46倍

▲0.32

観光関連の調整局面が継続

名護

1.32倍

+0.07

緩やかに上昇

那覇

1.05倍

+0.04

緩やかに上昇

沖縄(中部)

0.89倍

▲0.01

1倍を下回る状況が継続


賃金と物価の動き

毎月勤労統計(沖縄県・令和8年3月分)の現金給与総額は前年同月比+2.8%ですが、共通事業所ベース(同一事業所での比較)は▲4.0%と前年比マイナスに転じました。ただし、これは賞与等「特別に支払われた給与」の前年同月比減少が主因であり、毎月の給与水準を示す「きまって支給する給与」の共通事業所ベースは+2.6%とプラスを維持しています。那覇市CPI(持家の帰属家賃を除く総合)は3月時点で+0.8%上昇しており、きまって支給する給与ベースの実質賃金(試算)は+1.8%のプラスを維持しています。

 

社会保険労務士 江尻事務所

出典:沖縄労働局「労働市場の動き 令和8年4月分」、沖縄県企画部統計課「毎月勤労統計調査地方調査 令和8年3月分」、総務省統計局・沖縄県統計課「那覇市消費者物価指数 令和8年4月分」

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート 4月

令和8年4月分 / 経営者向けエグゼクティブ版3 / 4 ページ・自社へのヒント

職種別の人手不足ランキング(資料10)

どの職種で採用が特に難しいか、求人倍率(新規求人数÷新規求職者数)でご確認いただけます。倍率が高いほど「求職者1人あたりの求人数が多い=採用競争が激しい」を示します。

職種

新規求人

新規求職

求人倍率

状況

建設躯体工事従事者

100人

13件

7.69倍

深刻な不足

建設従事者(躯体除く)

136人

23件

5.91倍

深刻な不足

機械整備・修理従事者

197人

43件

4.58倍

深刻な不足

建築・土木・測量技術者

340人

78件

4.36倍

不足

介護サービス職業従事者

804人

221件

3.64倍

不足

自動車運転従事者

418人

118件

3.54倍

不足


職種別の賃金ギャップ(資料11、フルタイム月給)

求職者が希望する月給と、求人票に記載されている月給の差です。「求人>希望」の職種は、求職者が「条件の良さに気づいていない」可能性があり、求人広報を強化する余地があります。

職種

求職希望

求人平均

差額

示唆

情報処理・通信技術者

233,188円

310,813円

+77,625円

広報強化

建設従事者(躯体除く)

220,000円

282,297円

+62,297円

広報強化

電気工事従事者

237,037円

273,284円

+36,247円

広報強化

接客・給仕職業従事者

220,211円

252,646円

+32,435円

条件訴求

看護師(保健師・助産師含む)

248,289円

261,534円

+13,245円

条件訴求

介護サービス職業従事者

199,556円

211,933円

+12,377円

条件訴求


企業規模別の構成(参考)

沖縄県の新規求人は依然として小規模事業所(29人以下)に集中しており、4月の就業地別新規求人10,414人のうち29人以下が6,711人(64.4%)を占めています。中堅・大規模企業(300人以上)の合計は711人(6.8%)にとどまり、二極化構造は前月の60.2%/6.9%からさらに進展しました。中小企業同士の採用競争が市場の主戦場となっています。


今月の活用ポイント

「賃金水準」と「賞与含めた総支給」を切り分けて考える時期です。

3月の共通事業所ベース現金給与総額は前年比▲4.0%でマイナスに転じましたが、これは賞与の単月変動による影響であり、毎月の「きまって支給する給与」は+2.6%とプラスを維持しています。賞与減少は短期的な家計負担増となるため、求職者は安定した月給を提示できる企業を選好する傾向が強まる可能性があります。月給ベースでの競争力強化と、賞与の有無や水準を明示することで、採用優位を確保できます。


 

社会保険労務士 江尻事務所

本ページのデータはすべて沖縄労働局「労働市場の動き 令和8年4月分」資料10・11・4-2に基づきます。

 

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート 4月

令和8年4月分 / 経営者向けエグゼクティブ版4 / 4 ページ・次の一手

今月のアラート・チェックリスト

経営者ご自身で、自社の状況を点検したいときにご活用ください。

確認項目

今月の市場の状況

対応の目安

実質賃金がマイナスになっていないか

プラス維持(試算+1.8%、月給ベース)

良好

現金給与総額(共通事業所)

▲4.0%(賞与減少が主因)

要モニタ

医療・福祉の充足状況

求人+0.5%(医療業▲10.4%、介護+6.2%)

要モニタ

年度初の残業実績点検

3月所定外労働時間+6.1%(前月+12.6%から緩和)

確認推奨

パートタイム比率の動向

29.5%(前年差▲3.9ポイント)

要対応

八重山地域の倍率動向

1.46倍(前年差▲0.32ポイント)

要モニタ

卸売業・小売業の求人急減

▲20.1%(前年同月比)

要モニタ

建設業の反転増加

+8.2%(前月▲17.6%から反転)

要モニタ


次の一手のヒント

今月のデータから読み取れる、貴社で次にご検討いただきたいアクションを整理しました。

@ 月給ベースの採用競争力強化(採用戦略)

3月の現金給与総額がマイナスに転じた一方、きまって支給する給与(月給ベース)は+2.6%とプラスを維持しています。求人票では「月給○○円」を明確に提示し、賞与の有無・水準と区別して訴求することで、安定志向の求職者にアピールできます。年度始めの今は求人票を全面更新する好機です。


A 新年度の残業実績モニタリング体制整備(定着)

3月の所定外労働時間は前年比+6.1%と、前月の+12.6%から落ち着きを見せました。年度替わりの今、新年度の月次残業実績モニタリング体制を整える絶好のタイミングです。次年度(来年3月完了の年度末点検)に向けた36協定見直しの基礎データとして、業種別・部署別の残業実績を月次で記録する体制を確立しておくことを推奨します。


B 観光関連職種の戦略的採用(業種別対応)

6月は沖縄労働局による「めんそ〜れ!観光お仕事キャンペーン」が実施されます(6/1〜6/30)。観光関連事業所では、ハローワーク特別支援相談窓口やホテル・バスお仕事セミナーへの参加で、観光ハイシーズン前の人材確保を加速できます。八重山地域(求人倍率1.46倍、前年差▲0.32ポイント)など観光関連の調整局面にある地域では、職場見学会や体験会を通じた採用ファネルの強化も有効です。


 

本レポートは、沖縄労働局「労働市場の動き(令和8年4月分)」、厚生労働省「毎月勤労統計調査 地方調査(沖縄県・令和8年3月分)」、総務省「消費者物価指数(那覇市・令和8年4月分)」の公表データに基づき作成しています。実質賃金の試算値は簡易計算(共通事業所ベースの「きまって支給する給与」前年同月比 − 那覇市CPI(持家の帰属家賃を除く総合)3月の前年同月比)であり、毎勤付表2-1の本系列実質賃金(+2.0%)とは異なります。各数値は当月速報値のため、確報公表後に改定される場合があります。

本レポートのデータについてのご質問、貴社の状況に応じた個別のご相談は、江尻までお気軽にご相談ください。

社会保険労務士 江尻事務所