業種別補足|製造業|4月
業種別補足|製造業
令和8年4月分(労働市場の動き)/ 令和8年3月分(毎月勤労統計)
社会保険労務士 江尻事務所
今月の製造業のポイント
沖縄県内の製造業の新規求人(常用・就業地別)は、令和8年4月で290人(前年同月比▲13.9%)と縮小が続いています。賃 金は一般・パート合算の所定内給与が▲2.7%(5人以上)と前年を下回りますが、これは主にパート構成比の上昇による平 均の押し下げで、一般労働者単体では+1.9%とプラスを保っています。所定外労働時間は+10.1%と増加しており、人員を増 やさずに既存人員の残業で生産を回す傾向がうかがえます。パートタイム比率の急上昇も今月の特徴です。
1. 求人動向(労働市場の動き 令和8年4月・就業地別)
区分 新規求人数 前年同月比 増減数
製造業の中核を占める食料品製造業が▲30.7%、飲料・たばこ・飼料製造業が▲62.0%と、沖縄の地場製造業を支える食品系の求人縮小 が目立ちます。一方で鉄鋼業(前年0人→22人)、印刷・同関連(+116.7%)、非鉄金属・金属製品(▲9.1%)など品目間のばらつきも 大きく、業界全体としては「縮小基調の中の一部回復」という状況です。
出典:労働市場の動き 令和8年4月分・資料4-2(就業地別・産業別新規求人)、資料6-2。前年同月比は常用ベース。 2. 職種別の求人倍率と充足率(資料10:就業地別・常用)
職種 新規求人 新規求職 求人倍率 充足率
現場の生産工程職は求人倍率2.80倍と採用が難しい一方、製造技術者(開発を除く)は0.90倍と求職者が上回り、職種により需給が分 かれています。とくに機械整備・修理は4.58倍・充足率8.1%と、専門技能を持つ人材の確保が極めて困難です。技能職は社内育成と定 着の両面での対応が求められます。
出典:労働市場の動き 令和8年4月分・資料10(就業地別・職業別バランスシート)。求人数が極小の職種は除外。
社会保険労務士 江尻事務所
本ページのデータは沖縄労働局「労働市場の動き 令和8年4月分」資料4-2・6-2・10・11、厚生労働省「毎月勤労統計調査 地方調査(沖縄県・令和8 年3月分)」付表1-1・3-1・5-1・7-1・第3-1表に基づき作成しています。
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令和8年4月分(労働市場の動き)/ 令和8年3月分(毎月勤労統計)
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3. 求職希望賃金と求人平均賃金のギャップ(資料11:フルタイム常用)
職種 求職希望賃金 求人平均賃金 差額(求人−求職)
製造技術者(開発を除く)は求人平均が求職希望を10万円以上上回っており、好条件が求職者に十分伝わっていない可能性がありま す。一方、製品製造・加工処理(金属製品を除く)は求人平均が求職希望を下回っており、現場ワーカー職では賃金水準そのものの見 直しが採用力に直結します。
出典:労働市場の動き 令和8年4月分・資料11(就業地別・職業別フルタイム常用)。月給ベース。
4. 賃金と労働時間の動き(毎月勤労統計 令和8年3月・5人以上)
指標 当月値 前年同月比 備考
製造業の所定内給与(一般+パート合算)は▲2.7%と前年を下回りました。ただしこれは主にパートタイム比率の上昇(前年差+8.6ポ イント)による合算平均の押し下げで、一般労働者単体の所定内給与は+1.9%とプラスを維持しており(付表7-1)、月例賃金そのものが 下がっているわけではない点に留意が必要です。一方で所定外労働時間は+10.1%と増えており、人員を増やさず既存人員の残業で生産 を維持する構図がうかがえます。
出典:毎月勤労統計調査 地方調査(沖縄県・令和8年3月分)付表1-1・3-1・5-1・7-1・第3-1表(5人以上)。なお毎勤の前年比は調査対象事業所 の入替効果を含みます。一般労働者数は付表11-1で前年比▲8.6%、パート常用は+49.3%と、雇用の中身がパート中心に変化しています。
5. 経営者の方にご活用いただける場面
@ 技能職の確保策を検討するとき
機械整備・修理は求人倍率4.58倍・充足率8.1%、生産工程職全体も2.80倍と、現場の技能職は採用が困難な状況が続いています。求 人平均賃金が求職希望を上回る職種では求人票の見せ方の工夫が、下回る職種では賃金水準の見直しが有効です。あわせて社内での 技能継承・育成体制の整備をご検討いただけます。
A パート活用と賃金構成を見直すとき
パートタイム比率が前年差+8.6ポイントと急上昇しています。パート労働者の戦力化が進む一方、平均賃金の低下や定着面の課題も 生じやすくなります。パート労働者の処遇改善や正社員転換制度の整備が、人材の定着と生産性の両立につながります。同一労働同 一賃金の観点からの点検もこの時期に適しています。
B 残業時間の管理を点検するとき
所定外労働時間が前年同月比+10.1%と増加しています。多くの企業は4月1日始期の1年単位の36協定を結んでおり、新年度に入った この時期は、月次の残業実績をモニタリングする体制を整える好機です。あわせて来年度の36協定見直しに向けた業界水準との比較 を始める段階です。人員を増やさず残業で対応する状態が続くと、定着や健康管理の面でリスクが高まります。
本レポートは沖縄労働局「労働市場の動き 令和8年4月分」、厚生労働省「毎月勤労統計調査 地方調査(沖縄県・令和8年3月分)」の公表データに基づ き作成しています。各数値は速報値のため、確報公表後に改定される場合があります。
本レポートのデータについてのご質問、貴社の状況に応じた個別のご相談は、江尻までお気軽にご相談ください。 社会保険労務士 江尻事務所 2 / 2