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宿泊・飲食版 業種別補足レポート

沖縄 労働市場 統合モニタリングレポート / 令和8年5月分

1. 求人動向(資料4-2:就業地別・産業別)

宿泊業・飲食サービス業の新規求人数は797人で前年同月比▲20.6%と大きく減少しました。内訳では宿泊業が567人(▲12.0%)、飲食店が189人(▲32.0%)で、飲食店の落ち込みがとくに大きくなっています。前年の同時期と比べて求人が2割減っており、コロナ後に膨らんだ観光関連の求人が調整局面に入っていることがうかがえます。

指標

当月値

前年同月比

宿泊業・飲食サービス業 新規求人数

797人

▲20.6%

 うち宿泊業

567人

▲12.0%

 うち飲食店

189人

▲32.0%

2. 職業別の需給(資料10:就業地別)

接客・給仕職業従事者は求人倍率3.34倍、飲食物調理従事者は2.04倍で、求人が求職を上回る状態は続いており、なお採用側がやや不足の環境です。ただし前年同月と比べると接客・給仕は求人が▲27.1%(資料6-2)、調理は▲38.8%と大きく減っており、需給の逼迫感はやや緩んでいます。

職種

新規求人数

新規求職者数

求人倍率

接客・給仕職業従事者

454人

136件

3.34倍

飲食物調理従事者

374人

183件

2.04倍

3. 賃金ギャップ(資料11:就業地別・フルタイム月給)

接客・給仕職業従事者は求人平均賃金が求職希望を+43,998円、飲食物調理従事者は+21,961円上回っています。いずれも求人賃金が求職者の希望を上回っており、賃金面での訴求余地は十分にあります。求職者が求人条件の良さに気づいていない可能性があり、求人票での賃金・処遇の明示が応募増につながりやすい職種です。

職種

求職希望賃金

求人平均賃金

差額

接客・給仕職業従事者

215,938円

259,936円

+43,998円

飲食物調理従事者

212,308円

234,269円

+21,961円

4. 賃金水準(毎勤令和8年4月分、規模5人以上、付表1-1)

宿泊業・飲食サービス業の現金給与総額は148,014円で前年同月比+18.4%、きまって支給する給与は147,717円で+19.4%、所定内給与は136,775円で+19.4%です。この伸び率は全業種のなかでも突出して高い水準ですが、解釈には注意が必要です。付表11-1によればパートタイム労働者数は39,025人で前年同月比▲23.3%と大幅に減少しており、パート比率の低下によってフルタイム中心の平均賃金が押し上げられる構成変化の影響が強く含まれていると考えられます。したがって、この+18.4%を実際の賃上げとみるのは適切ではなく、就業構成の変化による見かけ上の上昇という側面を明示すべき数値です。

指標

当月値

前年同月比

現金給与総額

148,014円

+18.4%

きまって支給する給与

147,717円

+19.4%

所定内給与

136,775円

+19.4%

パートタイム労働者数

39,025人

▲23.3%

5. 労働時間(毎勤令和8年4月分、規模5人以上、付表3-1)

宿泊業・飲食サービス業の総実労働時間は107.9時間で前年同月比+17.4%、所定内労働時間は100.3時間で+14.5%、所定外労働時間は7.6時間で+76.8%です。所定外労働時間の+76.8%は全業種のなかで最も高い伸びですが、これも労働時間の短いパートが減り、フルタイム比率が高まったことによる平均値の押し上げが影響している可能性が高く、一人ひとりの残業が急増したとは即断できません。ただし絶対水準として所定外が増加傾向にあること自体は、繁忙期に向けた労働時間管理の点検が必要な領域であることを示しています。

指標

当月値

前年同月比

総実労働時間

107.9時間

+17.4%

所定内労働時間

100.3時間

+14.5%

所定外労働時間

7.6時間

+76.8%

6. 雇用の動き(毎勤令和8年4月分、規模5人以上、付表5-1)

宿泊業・飲食サービス業の常用労働者数は59,852人で前年同月比▲8.6%、入職率は6.19%、離職率は9.08%です。離職率9.08%は全業種のなかでも高く、入職率を上回っているため、事業所全体では人員が純減する局面です。求人・雇用者数がともに減り、離職が入職を上回るという、業種全体の縮小と高い人材流動性が同時に進んでいる状況です。

指標

当月値

前年同月比・水準

常用労働者数

59,852人

▲8.6%

入職率

6.19%

離職率

9.08%

7. まとめ

新規求人は▲20.6%と大きく減り、とくに飲食店(▲32.0%)の落ち込みが目立ちます。名目賃金は+18.4%と全業種最高水準ですが、これはパート比率が▲23.3%と急減したことによる構成変化の影響が大きく、実質的な賃上げと区別して読む必要があります。所定外労働時間の+76.8%も同様に構成変化の影響が疑われます。一方で離職率9.08%は入職率を上回り、業種全体で人員が純減しています。採用面では求人賃金が求職希望を上回っており訴求余地はあるものの、それ以上に高い離職率への対応、すなわち定着とシフト管理が経営課題の中心になります。

 

本補足資料は、沖縄労働局「労働市場の動き 令和8年5月分」(求人データ)および厚生労働省「毎月勤労統計調査 地方調査(沖縄県・令和8年4月分)」(賃金・労働時間・雇用データ)の公表データに基づき作成しています。求人データと賃金データは公表時点が異なります。賃金の前年同月比は毎勤付表1-1・付表7-1・付表11-1に直接記載の数値を使用しています。各数値は速報値のため、確報公表後に改定される場合があります。

本資料についてのご質問、貴社の状況に応じた個別のご相談は、江尻までお気軽にご相談ください。

社会保険労務士 江尻事務所