第6章 教 育
今回取り上げる労務問題
・教育訓練への参加命令を体力的負担や家庭の事情で拒否──「正当な理由」の範囲はどこまでか(第30条)
・正社員と比べて教育訓練の機会が著しく少ない──パートタイム・有期雇用労働法第11条の実施義務(第30条・パート有期法第11条)
・教育訓練の時間は労働時間か──休日研修の賃金不払い問題(第30条・労働基準法第32条)
はじめに
七月に入り、沖縄は本格的な夏を迎えていた。梅雨明けから一週間が過ぎ、那覇市内は連日三十二度を超える日差しに包まれている。街路樹のフクギの濃い緑が日陰をつくり、道行く人々が足早にその陰へ逃げ込む姿があちこちで見られる。豊見城や糸満の農園ではマンゴーの収穫が最盛期を迎え、鮮やかなオレンジ色の実が各地の直売所に並びはじめる季節である。
株式会社あっぱれ商事の人事部総務課でも、夏の熱気に負けない勢いで新たな相談が持ち込まれていた。今回のテーマは「教育」である。嘱託社員就業規則では第6章に第30条が置かれ、「会社は嘱託社員の技能、知識、教養、従事する業務に必要な安全および衛生に関する知識を向上させるため、必要に応じて教育を行い、または外部の教育に参加させることがある。この場合、会社が認める正当な理由がない限り、嘱託社員はこれを拒むことはできない」と定められている。
条文はわずか一条であるが、実務ではその運用をめぐって複数の論点が浮上する。教育訓練を命じられた嘱託社員は拒否できるのか、嘱託社員への教育訓練の機会は十分に確保されているのか、そして教育訓練に費やした時間は労働時間として扱われるのか。今回もこれらの問題を、画猫さんと江尾社労士の対話を通じて解きほぐしていきたい。
登場人物紹介
江尾(えび)社労士:社会保険労務士として二十年以上のキャリアを持つベテラン。労働法令の実務に精通し、中小企業の労務顧問を多数務めている。
画猫(がねこ)さん:株式会社あっぱれ商事の人事部総務課に所属して三年目。日々発生する労務トラブルの最前線で奮闘している。
トラブル1:「体がきつくて研修に出られません」──教育訓練の参加拒否と正当な理由
七月最初の月曜日。画猫さんは、冷房の効いた相談室で江尾社労士と向かい合っていた。
画猫さん:嘱託社員のAさんについてご相談です。Aさんは六十三歳で、定年後に再雇用されて三年目、物流センターで在庫管理を担当しています。来週、会社が全従業員を対象に実施する安全衛生研修に参加するよう指示を出したところ、Aさんから「腰痛がひどくて一日中座っているのもつらい。家では介護中の母親のデイサービスの送り迎えもある。研修は勘弁してほしい」と申し出がありました。上長は「就業規則で拒否できないと書いてあるのだから参加すべきだ」と言っているのですが、Aさんの事情を考えると強制してよいものか迷っています。
江尾社労士:大切な相談ですね。まず嘱託社員就業規則第30条を確認しましょう。この条文は、会社が嘱託社員に対して教育訓練への参加を命じることができることを定めたうえで、「会社が認める正当な理由がない限り、これを拒むことはできない」としています。つまり、原則として嘱託社員には教育訓練に参加する義務があるのですが、同時に「正当な理由」があれば例外が認められる構造になっています。
画猫さん:その「正当な理由」の範囲が問題ですね。腰痛や介護の事情は正当な理由にあたるのでしょうか。
江尾社労士:まず腰痛について考えてみましょう。会社には労働契約法第5条に基づく安全配慮義務があります。嘱託社員が健康上の理由で研修参加が困難だと申し出た場合、その訴えを無視して参加を強制し、症状が悪化すれば、会社は安全配慮義務違反を問われる可能性があります。特に高年齢者の場合、加齢に伴う身体機能の変化への配慮が重要です。厚生労働省の「エイジフレンドリーガイドライン」(高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)でも、高年齢労働者の健康状態に応じた個別の対応が求められています。
画猫さん:では、腰痛を理由に完全に免除すべきなのでしょうか。
江尾社労士:完全な免除が唯一の選択肢ではありません。ここで重要なのは、合理的な代替措置を検討することです。たとえば、研修を対面の一日コースではなく、自宅で受講できるオンライン形式に切り替える方法があります。一時間ごとに休憩を挟む配慮も考えられます。腰痛が著しい場合は、主治医の意見を聴いたうえで受講時期を延期する判断もありえます。大切なのは、「参加させるか免除するか」という二者択一ではなく、「どうすれば参加できるか」を本人と話し合うことです。
画猫さん:介護の事情についてはどうでしょうか。
江尾社労士:介護については、育児・介護休業法が定める介護休暇の制度を思い出してください。要介護状態の家族を介護する労働者は、一年に五日(対象家族が二人以上の場合は十日)の介護休暇を取得できます。この制度の趣旨からも、家族の介護は労働者にとって重大な事情として法が認めているものです。研修日がAさんの介護上の事情と重なる場合、日程を調整するか、別の日に代替研修を設けることが合理的な対応です。
画猫さん:そうすると、正当な理由があるかどうかは、一概に線引きできるものではないのですね。
江尾社労士:そのとおりです。ただし、注意も必要です。安全衛生に関する教育訓練は、労働安全衛生法第59条や第60条で事業者に実施が義務づけられているものがあります。昭和四十七年の通達(基発第602号)では、安全衛生教育は所定労働時間内に行うことを原則とし、その時間は労働時間として扱われることが明示されています。つまり、安全衛生教育は法的にも極めて重要な位置づけにあり、単に「面倒だから」「忙しいから」という理由で拒否することは正当な理由にあたりません。Aさんの場合も、参加を完全に免除するのではなく、配慮を講じたうえで確実に受講してもらう方針で進めてください。
画猫さん:もしAさんが、配慮を講じてもなお参加を拒否し続けた場合、懲戒処分の対象になるのでしょうか。
江尾社労士:教育訓練への参加は第30条に基づく業務命令ですから、正当な理由なく拒否を続ければ、嘱託社員就業規則第34条の懲戒事由に該当しうることは否定できません。しかし、懲戒処分を行うには労働契約法第15条が定める「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要です。会社が十分な配慮を示さずにいきなり懲戒処分に踏み切れば、懲戒権の濫用として無効になるおそれがあります。段階としては、まず合理的な代替措置を提示し、それでも合理的理由なく拒否が続く場合に、戒告などの軽い処分から段階的に対応するのが適切です。
画猫さん:まずは対話と配慮が先で、処分は最後の手段ということですね。
江尾社労士:そのとおりです。一方、Aさん側にも留意すべき点があります。嘱託社員就業規則第26条第1号は、「常に心身の健康に留意し、心身の不良による能率低下を起こさないようにすること」という服務義務を定めています。腰痛が業務に影響する状態であれば、Aさん自身も主治医の診断を受け、その結果を会社に報告する責任があります。双方が義務を果たすことで、建設的な解決につながります。
画猫さん:具体的な進め方を整理します。まずAさんの腰痛について主治医の意見を確認し、可能であれば休憩を挟みながらの受講やオンライン形式への切り替えを検討する。介護の日程については、研修日の調整か代替日を設ける。そのうえで、安全衛生研修の受講は義務であることをAさんに丁寧に説明する、ということですね。
江尾社労士:的確な整理です。加えて、こうした個別対応の記録を残しておくことを強くお勧めします。後日トラブルに発展した場合に、会社が配慮を尽くしたことを証明する資料になります。Aさんとの面談内容、提案した代替措置、Aさんの回答を書面に残してください。
トラブル2:「正社員だけ研修に行けるのですか」──教育訓練の機会格差とパート有期法第11条
翌日、画猫さんは別の相談案件を携えて再び江尾社労士のもとを訪れた。
画猫さん:今度は営業課の嘱託社員Bさんからの相談です。Bさんは六十一歳で、定年後に再雇用されて一年目です。定年前と同じ営業課で、同じ取引先を担当しています。先月、正社員を対象に新しい営業支援システムの操作研修が二日間にわたって実施されたのですが、Bさんは対象外とされました。Bさんは「自分も同じシステムを毎日使うのに、なぜ研修を受けさせてもらえないのか」と不満を訴えています。
江尾社労士:これは重要な問題です。パートタイム・有期雇用労働法第11条を確認しましょう。同条第1項は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、その職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、同じ職務に従事するパートタイム・有期雇用労働者にも実施しなければならないと定めています。これは努力義務ではなく、法的な義務です。
画猫さん:Bさんは定年前と同じ営業の仕事をしているのですから、正社員と職務の内容が同じと言えますね。
江尾社労士:そのとおりです。Bさんが正社員と同じ営業支援システムを日常的に使用し、同じ職務を遂行しているのであれば、そのシステム操作研修は「職務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練」に該当します。これを正社員のみに実施し、Bさんを対象外とすることは、パートタイム・有期雇用労働法第11条第1項に違反するおそれがあります。
画猫さん:ただ、Bさんは長年営業をしてきたベテランですから、既にシステムの基本的な操作ができるという考え方はないのでしょうか。
江尾社労士:法律上、「職務内容同一短時間・有期雇用労働者が既にその職務に必要な能力を有している場合」は実施義務が除外されます。しかし、今回は「新しい営業支援システム」の研修です。新規導入のシステムですから、ベテランであっても操作方法を知らなければ業務に支障が出ます。既に能力を有している場合の除外は適用されません。
画猫さん:もう一つ確認したいのですが、パートタイム・有期雇用労働法第11条には第2項もありますね。
江尾社労士:はい。第2項は、第1項に該当しない場合、つまり職務の内容が異なるパートタイム・有期雇用労働者についても、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その職務の内容や能力、経験などに応じて教育訓練を実施するよう努めなければならない、と定めています。こちらは努力義務ですが、軽視してよいものではありません。加えて、パートタイム・有期雇用労働法第8条の不合理な待遇差禁止の規定も、教育訓練の機会格差に適用されます。同一労働同一賃金ガイドラインでも、同じ職務に必要な技能を習得するための教育訓練は、雇用形態にかかわらず同一に実施すべきことが示されています。
画猫さん:そうすると、今回のケースでは法律の義務規定と均衡待遇の両面から問題があるのですね。
江尾社労士:そのとおりです。対応としては、まずBさんに対して速やかに同じ内容の研修を実施してください。既に正社員向けの研修が終了していますので、Bさんには個別のフォローアップ研修、あるいは研修資料を用いたマンツーマン指導でも構いません。大切なのは、結果として同じ能力を付与する機会を確保することです。
画猫さん:今後に向けて、仕組みとして見直すべき点はありますか。
江尾社労士:研修の企画段階で、対象者を「正社員」という雇用区分で一律に区切るのではなく、「当該研修内容に関連する職務に従事するすべての従業員」を対象とする運用に切り替えてください。嘱託社員就業規則第30条は会社に教育訓練の実施権限を与えていますが、その裏返しとして、必要な教育訓練を適切に提供する責任も会社にあります。厚生労働省の令和四年「能力開発基本調査」によると、正社員以外に対して計画的なOJTを実施した事業所の割合は約二十四パーセントにとどまります。嘱託社員を含む有期雇用労働者への教育投資は、まだまだ不十分な企業が多いのが実情です。教育訓練は単なるコストではなく、労働者の能力を引き出し、組織の生産性を高めるための投資であるという視点を忘れないでください。
画猫さん:もしBさんから「なぜ正社員だけが研修の対象だったのか説明してほしい」と求められた場合、会社には応じる義務がありますか。
江尾社労士:あります。パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項は、パートタイム・有期雇用労働者から求めがあった場合、待遇の相違の内容やその理由について説明する義務を事業主に課しています。教育訓練の機会の有無も「待遇」に含まれますから、Bさんから説明を求められれば、会社は合理的な理由を説明しなければなりません。今回のケースでは、合理的な理由を説明することは困難でしょう。「正社員だから」という雇用区分のみに基づく説明は、法が求める説明義務を果たしたことにはなりません。
画猫さんは、研修対象者の選定基準を見直す旨をメモに書き留めた。雇用区分にとらわれず、職務内容に基づいて対象者を決定する──この原則は、嘱託社員に限らず、すべての非正規雇用労働者に共通する重要な考え方である。
トラブル3:「休日に研修を受けたのに給料が出ないのですか」──教育訓練時間と労働時間
同じ週の木曜日、画猫さんは三件目の相談を持ち込んだ。
画猫さん:嘱託社員のCさんに関する相談です。Cさんは六十四歳で、定年後に再雇用されて四年目、経理課で週五日のフルタイム勤務をしています。先月の土曜日に、会社が主催する情報セキュリティ研修に参加しました。研修は朝九時から夕方五時まで、昼休憩を除いて七時間です。ところが、この研修に対して賃金が支払われておらず、Cさんが「休日に会社の命令で研修を受けたのに無給というのは納得できない」と抗議してきました。上長は「研修であって通常業務ではないから労働時間にあたらない」と説明しているのですが、これは正しいのでしょうか。
江尾社労士:結論から申し上げると、上長の説明は誤っています。研修であっても、労働時間に該当するかどうかは、「使用者の指揮命令下に置かれているかどうか」という基準で判断されます。これは最高裁平成十二年三月九日判決(三菱重工業長崎造船所事件)で示された確立した判断基準です。
画猫さん:「指揮命令下に置かれている」かどうかは、具体的にはどう判断するのでしょうか。
江尾社労士:厚生労働省が平成二十九年に策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が参考になります。このガイドラインでは、「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講」の時間は労働時間に該当するとされています。ポイントは、参加が義務づけられているか、任意参加であるかです。
画猫さん:Cさんの場合、会社が主催し、参加を指示した研修ですから、義務づけられていたと言えますね。
江尾社労士:そのとおりです。嘱託社員就業規則第30条も、「会社が認める正当な理由がない限り、これを拒むことはできない」と定めていますから、会社からの参加指示は業務命令にほかなりません。業務命令で参加した以上、その時間は使用者の指揮命令下にあり、労働時間として扱わなければなりません。「研修だから労働時間ではない」という考え方は法的に誤りです。
画猫さん:さらに、これは土曜日に行われた研修ですね。
江尾社労士:はい。ここが二つ目のポイントです。Cさんは週五日のフルタイム勤務ですから、嘱託社員就業規則第10条に基づき、土曜日は所定休日にあたる可能性が高いです。所定休日に七時間の研修に参加させた場合、まず休日労働手当の問題が生じます。それが法定休日であれば、嘱託社員就業規則第13条に基づき、法定の単価に1.35を乗じた割増賃金の支払いが必要です。法定休日ではない所定休日であっても、その週の法定労働時間(四十時間)を超える部分については、時間外労働手当として法定の単価に1.25を乗じた割増賃金が発生します。
画猫さん:完全に無給というのは、どちらにしても問題があるのですね。
江尾社労士:明確な法令違反です。労働基準法第32条は法定労働時間の上限を定め、第37条はこれを超えて労働させた場合の割増賃金の支払義務を規定しています。Cさんの研修七時間分の賃金と、該当する割増賃金を速やかに遡及して支払ってください。
画猫さん:なるほど。では、もし研修が「任意参加」だった場合はどうなるのでしょうか。
江尾社労士:形式的に「任意参加」と案内していたとしても、実態として参加しなければ人事評価が下がる、上長から叱責される、業務上必要な知識が得られないといった不利益が生じる場合は、実質的に参加を強制されていると評価されます。NTT西日本事件(大阪高裁平成二十二年十一月十九日判決)では、上司が推奨していたeラーニングについて、受講状況がシステムで把握されていた事案でも、強制とまでは言えないとして労働時間性が否定されました。しかしこの判決は、不参加に対するペナルティや人事評価への影響がなかったことを重視したものです。したがって、任意参加の研修を企画する場合は、不参加者に一切の不利益がないことを書面で明示し、実態としても不利益取扱いをしないことが不可欠です。
画猫さん:当社としては、今後の研修に際して、労働時間に該当するかどうかを事前に整理しておくべきですね。
江尾社労士:はい。研修を企画する段階で次の三点を確認してください。第一に、その研修への参加が義務か任意かを明確にすること。第二に、義務参加の研修は所定労働時間内に実施することを原則とし、やむを得ず時間外や休日に実施する場合は、三六協定の範囲内であることと割増賃金の発生を事前に確認すること。第三に、任意参加の研修については、不参加者への不利益がない旨を文書で周知すること。この三点を押さえれば、研修に伴う賃金トラブルは防ぐことができます。
画猫さんは手元のノートに「研修=業務命令なら労働時間」と大きく書き込んだ。教育訓練は嘱託社員のスキル向上に不可欠であるが、それが労働時間として適正に扱われなければ、信頼関係そのものが揺らいでしまう。
画猫さん:ちなみに、労働安全衛生法に基づく安全衛生教育については、特別な取扱いがあるのでしょうか。
江尾社労士:はい。先ほどトラブル1でも触れましたが、昭和四十七年の通達(基発第602号)は、労働安全衛生法第59条・第60条の安全衛生教育について、所定労働時間内に行うことを原則とし、その時間は労働時間であると明言しています。つまり、安全衛生教育の場合は「義務か任意か」を検討するまでもなく、当然に労働時間として扱わなければなりません。時間外に実施した場合は割増賃金の支払いが必要です。安全衛生教育を「自己啓発」のように扱うことは許されません。
おわりに
三つのトラブルを検討し終えた頃、窓の外には夕方の西日が差し込み、相談室を琥珀色に染めていた。
江尾社労士:今回は教育というテーマで三つの問題を取り上げました。第一に、教育訓練の参加義務と正当な理由の関係。第二に、パートタイム・有期雇用労働法に基づく教育訓練の機会均等。第三に、教育訓練の時間が労働時間に該当するかどうかの判断基準。いずれも根底にあるのは、嘱託社員を「学びの場から排除しない」という姿勢です。
画猫さん:条文は一条だけですが、実務上の論点はこれだけ多岐にわたるのですね。定年後に再雇用された嘱託社員にこそ、新しい知識や技術を学ぶ機会が必要なのだと改めて感じました。
江尾社労士:おっしゃるとおりです。嘱託社員は長年の経験と知識を持つ貴重な人材です。しかし、技術革新や法改正のスピードは速く、経験だけでは対応できない場面が増えています。会社が教育訓練の機会を適切に提供し、その時間を正しく労働時間として処理することは、嘱託社員の意欲と能力を最大限に引き出すための土台になります。
画猫さん:「教育の権限」と「教育の責任」は表裏一体なのですね。
江尾社労士:そのとおりです。次回は第7章「表彰、懲戒、自宅待機、損害賠償」を取り上げます。嘱託社員に対する懲戒処分の適正手続きや、損害賠償の範囲など、実務で悩みやすい論点を扱う予定です。
画猫さん:次回もよろしくお願いいたします。
参照条文一覧
|
参照条文 |
内容 |
主な関連トラブル |
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嘱託社員就業規則第30条 |
教育訓練の実施と参加義務 |
トラブル1、2、3 |
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嘱託社員就業規則第26条 |
服務心得(心身の健康留意義務) |
トラブル1 |
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嘱託社員就業規則第34条 |
懲戒の種類と懲戒事由の適用 |
トラブル1 |
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嘱託社員就業規則第10条 |
休日の定め |
トラブル3 |
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嘱託社員就業規則第13条 |
時間外・休日・深夜の割増賃金 |
トラブル3 |
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労働契約法第5条 |
使用者の安全配慮義務 |
トラブル1 |
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労働契約法第15条 |
懲戒権の濫用 |
トラブル1 |
|
労働基準法第32条 |
法定労働時間 |
トラブル3 |
|
労働基準法第37条 |
時間外・休日・深夜の割増賃金 |
トラブル3 |
|
労働安全衛生法第59条・第60条 |
安全衛生教育の実施義務 |
トラブル1 |
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パートタイム・有期雇用労働法第8条 |
不合理な待遇差の禁止 |
トラブル2 |
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パートタイム・有期雇用労働法第11条第1項 |
職務遂行に必要な教育訓練の実施義務 |
トラブル2 |
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パートタイム・有期雇用労働法第11条第2項 |
教育訓練の実施に関する努力義務 |
トラブル2 |
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パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項 |
待遇の相違の内容・理由の説明義務 |
トラブル2 |
|
育児・介護休業法第16条の5 |
介護休暇 |
トラブル1 |
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昭和47年基発第602号 |
安全衛生教育は労働時間である旨の通達 |
トラブル1、3 |
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労働時間適正把握ガイドライン(平成29年) |
義務付けられた研修は労働時間に該当 |
トラブル3 |
社会保険労務士 江尻育弘