就業規則の読み方・活かし方 パートタイム社員編J
「パートさんは健康診断の対象外だと思っていました」──そう話すのは、現場の管理職だけではありません。パート社員自身も、健康診断やストレスチェックは正社員だけのものだと思い込んでいることが少なくありません。厚生労働省の「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.8%に上る一方、パートタイム労働者をその対象に含めているかどうかについては、依然として認識のばらつきが見られます。
安全衛生の分野は、会社にとっては安全配慮義務の履行であり、パート社員にとっては自身の健康と安全を守る権利であると同時に、会社の指示に従い健康管理に協力する義務でもあります。この権利と義務の両面を正しく理解しておくことが、いざというときの対応力を左右します。
今回は、株式会社あっぱれ商事の人事部総務課で働く画猫さんが、顧問の江尾社労士のもとを訪れました。3つのトラブルを通じて、安全および衛生に関する就業規則の読み方と活かし方を学んでいきましょう。
江尾社労士
社会保険労務士として20年以上のキャリアを持つベテラン。
画猫さん
株式会社あっぱれ商事の人事部総務課に所属して3年目。
五月も下旬に入った沖縄は、梅雨の合間に晴れた日の海がひときわ美しい。この時季、慶良間諸島の周辺では「慶良間ブルー」と呼ばれる透明度の高い海中で、サンゴが一斉に産卵を始める。満月の夜、無数のピンク色の卵が海面に向かって立ち上る光景は、沖縄の初夏を告げる風物詩だ。目に見えない小さな命が海の生態系全体を支えている──職場の安全衛生もまた、日頃の地道な取り組みが組織全体を守る。あっぱれ商事の人事部には、健康診断をめぐる相談が持ち込まれていた。
画猫さん
「先生、先日、パート社員のAさんから『私は週3日勤務なので健康診断の対象外ですよね?』と聞かれました。正直なところ、Aさんが対象かどうか、私も即答できなくて……。パート社員の健康診断の対象者は、どのように判定すればよいのでしょうか」
江尾社労士
「これは現場で非常に多い質問です。まず第54条第1項を確認しましょう。『引き続き1年以上使用され、または使用されることが予定されており、正社員の1週間の所定労働時間数の4分の3以上を勤務するパート社員に対して、採用の際および毎年1回以上の健康診断を行う』と定められています。判定のポイントは2つあります。1つ目は勤続要件──引き続き1年以上使用されているか、または使用される予定があるかどうか。2つ目は労働時間要件──正社員の1週間の所定労働時間数の4分の3以上を勤務しているかどうかです」
画猫さん
「あっぱれ商事の正社員は週40時間ですから、4分の3は30時間ですね。Aさんは週3日で1日7時間──つまり週21時間の契約です。30時間未満なので、対象外ということになりますか?」
江尾社労士
「第54条の文言に照らせば、Aさんは対象外になります。しかし、ここで注意してほしいのは、この第54条が定めているのは労働安全衛生法第66条に基づく法定の健康診断の対象者だということです。法定の義務としての健康診断の対象はそのとおりですが、これはあくまで最低基準です」
画猫さん
「最低基準、ということは……」
江尾社労士
「はい。実は厚生労働省は、正社員の所定労働時間の4分の3未満であっても、おおむね2分の1以上勤務するパート社員に対しては健康診断を実施することが望ましいとする通達を出しています。Aさんの週21時間は、正社員の40時間の2分の1──つまり20時間──を超えていますから、法的義務ではないものの、実施が望ましいとされる範囲に入ります。会社の安全配慮義務の観点からも、対象を広げることを検討する価値があります」
画猫さん
「なるほど。法定の義務と、望ましい対応の2段階があるのですね。ところで、Aさんの勤務日数が増えて週30時間以上になった場合は、自動的に対象になるのでしょうか」
江尾社労士
「よい質問です。判定の基準は個別の労働契約で定められた所定労働時間です。実際の残業時間ではありません。もしAさんの契約が週21時間のまま、繁忙期にたまたま週30時間以上働いたとしても、それだけで法定の健康診断の対象にはなりません。逆に、契約上の所定労働時間が週30時間以上であれば、たまたまその週に短時間しか働かなかったとしても、対象から外れることはありません」
画猫さん
「契約ベースで判定するのですね。ただ、現実にはシフトの変動で所定労働時間が微妙に変わるパート社員もいます」
江尾社労士
「そこが判定ミスの温床です。特にシフト制の場合、月によって勤務時間が変動するため、4分の3の境界線上にいるパート社員を見落としやすい。実務上のアドバイスとしては、毎年度の健康診断実施前に、パート社員全員の労働契約書を確認し、週所定労働時間が30時間以上かどうかを一人ずつチェックするリストを作成してください。そして境界線付近──たとえば週28時間から32時間の範囲──にいるパート社員は特に注意して確認することです」
画猫さん
「リストを作っておけば、毎年の判定が楽になりますね。ところで、第54条第2項に『パート社員は、健康診断の受診を拒否することはできない』とあります。もし対象のパート社員が受診を拒否した場合はどうすればよいですか」
江尾社労士
「まず大前提として、この受診義務は第54条に明記された就業規則上の義務です。同時に、労働安全衛生法第66条第5項は、労働者に対し事業者が行う健康診断を受ける義務を課しています。つまり、法律と就業規則の両方で義務づけられているということです。とはいえ、実際に拒否された場合、いきなり懲戒処分というわけにはいきません。まずは受診の必要性を丁寧に説明し、日程や受診先の調整を提案してください。それでも拒否が続く場合は、文書で受診命令を出し、それでも従わなければ服務規律違反として対応することになります。ただし、ここで一つ注意点があります。第54条第4項を見てください」
画猫さん
「『健康診断の結果に異常の所見があった場合には、当該パート社員は会社の指定する医療機関による再検査を受診しなければならない。なお、再検査の費用については、パート社員の負担とする』──再検査の費用は自己負担なのですね」
江尾社労士
「そうです。定期健康診断の費用は会社負担ですが、再検査の費用については法律上、会社に負担義務はありません。あっぱれ商事の就業規則でも第54条第4項でパート社員の自己負担と定めています。ここで問題になりやすいのが、パート社員が『再検査の費用が自己負担なら受けない』と言うケースです。これに対しては、再検査の受診義務は就業規則で定められていること、そして会社が安全配慮義務を果たすためには健康状態の把握が不可欠であることを説明してください。会社としてはコスト面の配慮──たとえば再検査費用の一部補助や、提携医療機関での割引制度の導入──も検討する価値があります」
画猫さん
「第54条第5項には、健康診断の結果に基づいて就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を命じることがあるとも書いてありますね」
江尾社労士
「はい。これは会社の安全配慮義務を就業規則上に具体化した規定です。ただし、この措置がパート社員にとって労働条件の不利益変更にあたる場合──たとえば労働時間の短縮によって賃金が減少する場合──には、措置の必要性と内容について本人に丁寧に説明し、理解を得るプロセスが重要です。産業医の意見を聴いた上で措置を講じるのが原則であり、会社が一方的に判断するものではありません」
画猫さん
「健康診断一つとっても、対象者の判定、受診拒否への対応、再検査費用の問題、結果に基づく措置と、段階ごとに注意すべきポイントがあるのですね」
江尾社労士
「そのとおりです。そして忘れてならないのは第54条第3項──『健康診断結果の情報は安全配慮義務を果たす関係上、会社が一括して管理を行う』という規定です。パート社員個人に通知された結果であっても、会社への提出義務があります。これは個人情報保護の観点から問題にされることがありますが、安全配慮義務の履行のために必要な範囲での情報収集です。もちろん、収集した情報は目的外使用が禁止されますし、第3条第4項で定められた人事労務管理上の手続きの範囲内でのみ使用されます」
画猫さん
「先生、次の相談です。先月、パート社員のBさんがインフルエンザに罹患して、会社から5日間の出勤停止を命じました。Bさんが復帰した後、『出勤停止期間中の給料が出ないのはおかしいのではないですか。会社の命令で休んだのだから、会社都合の休業ではないですか』と言ってきました」
江尾社労士
「これは安全衛生の分野で最も議論になりやすいテーマの一つです。まず第55条を確認しましょう。第1項に『パート社員が、感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法(感染症法)に定める病等に罹った場合、または出勤させることが不適当と認めた場合は、必要な期間、出勤を禁止することがある』とあります。ここで整理が必要なのは、出勤停止の根拠が何かという点です」
画猫さん
「根拠が何か、ですか?」
江尾社労士
「はい。感染症法に基づく就業制限と、会社独自の判断による出勤停止では、賃金の取り扱いが異なります。まず、感染症法に基づく就業制限──たとえば結核やSARS、新型インフルエンザ等の感染症法に定める特定の感染症──の場合、都道府県知事が就業制限の通知を出すことがあります。この場合は法律に基づく制限ですから、会社の責に帰すべき事由による休業には該当せず、原則として休業手当の支払い義務はありません」
画猫さん
「では、Bさんの季節性インフルエンザの場合はどうなりますか」
江尾社労士
「季節性インフルエンザは、感染症法上の就業制限の対象ではありません。Bさんのケースで会社が出勤停止を命じたのは、第55条第1項の後段──『出勤させることが不適当と認めた場合』──に基づく会社独自の判断です。ここが問題の核心です。Bさんが自ら体調不良を理由に休んだのであれば、欠勤として扱われ、賃金は支払われません。しかし、Bさん本人は出勤可能な状態であったにもかかわらず、会社が出勤停止を命じた場合は、使用者の責に帰すべき事由による休業に該当し、労働基準法第26条の休業手当──平均賃金の60%以上──の支払い義務が生じる可能性があります」
画猫さん
「Bさんのケースでは、医師から『5日間は外出を控えるように』という指示が出ていました。この場合はどうなりますか」
江尾社労士
「医師の指示により労務提供が不可能な状態であったのなら、それは債務の履行が不可能な状態ですから、ノーワーク・ノーペイの原則により賃金請求権は発生しません。つまり、Bさん自身が就労できない状態であったか、就労は可能だったが会社が出勤停止を命じたか──この事実関係によって結論が変わるということです」
画猫さん
「実務的にはどう対応すべきでしょうか」
江尾社労士
「重要なのは、出勤停止の指示を出す際に、その根拠を明確にしておくことです。具体的には、医師の診断書や証明書で就労不能と判断されているのか、あるいはBさんは就労可能だが感染拡大防止のために会社の判断で休ませるのか、を記録に残してください。前者であれば欠勤扱い、後者であれば休業手当の支払いが必要になります。第48条を確認しましょう──『会社の都合によりパート社員を臨時に休業させる場合には、休業1日につき平均賃金の60%に相当する額の休業手当を支払う』とあります。会社の判断で休ませた場合は、この規定に基づいて休業手当を支払うことになります」
画猫さん
「第55条第1項のただし書きに、『在宅等で就業が可能な場合は、在宅勤務等を命じることがある』とありますね」
江尾社労士
「大切な規定です。感染症に罹患しても症状が軽く、在宅で業務遂行が可能であれば、出勤停止ではなく在宅勤務を命じるという選択肢があります。この場合は通常どおり賃金が発生しますから、休業手当の問題は生じません。コロナ禍以降、在宅勤務の環境整備が進んだ会社では、この選択肢が現実的になっています。ただし、パート社員の業務が現場作業中心で在宅勤務になじまない場合もありますから、職務内容に応じた判断が必要です」
画猫さん
「Bさんへの説明としては、どうすればよいでしょうか」
江尾社労士
「まずBさんの出勤停止期間中の状態を確認してください。医師の指示で就労不能であったなら、欠勤扱いとなり賃金は発生しないことを、第55条の規定とともに説明します。もし健康保険に加入しているなら、傷病手当金の対象になるかどうかも併せて案内するとよいでしょう。一方、もしBさんが就労可能であったにもかかわらず会社が休ませたのであれば、休業手当の支払いを検討すべきです。いずれにしても、今後のために、出勤停止の指示を出す際のフローを整備しておくことをお勧めします。誰が判断し、どのような基準で、どのような書面で指示を出すのか──これを事前にルール化しておけば、同じ問題が起きたときに迷わずに済みます」
画猫さん
「第55条第2項の、同居者が感染症に罹った場合の届出義務も重要ですね」
江尾社労士
「はい。パート社員の同居の者が感染症法に定める病等に罹り、またはその疑いがある場合は、直ちに会社へ届け出て必要な指示を受ける義務があります。これはパート社員側の義務です。安全衛生の分野では、会社の安全配慮義務ばかりが注目されがちですが、パート社員にも自身と周囲の安全を守るための協力義務があるのです」
画猫さん
「先生、3つ目の相談です。先月ストレスチェックを実施したのですが、パート社員のCさんから『自分にはストレスチェックの案内が届いていない。正社員だけが対象なのですか?』と問い合わせがありました。確認したところ、Cさんは対象者だったのに、案内リストから漏れていたことがわかりました」
江尾社労士
「対象者の漏れは、安全配慮義務の観点から見過ごせない問題です。第56条の2を確認しましょう。第1項に『引き続き1年以上使用され、または使用されることが予定されており、正社員の1週間の所定労働時間数の4分の3以上を勤務するパート社員に対して、毎年1回、定期に、医師、保健師などによる心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行う』とあります。対象者の要件は、第54条の健康診断と同じ──勤続1年以上かつ正社員の4分の3以上の労働時間です」
画猫さん
「Cさんは週32時間の契約で、勤続2年です。完全に対象者ですね。なぜリストから漏れたのか……」
江尾社労士
「よくあるパターンとしては、正社員名簿とパート社員名簿が別管理になっていて、ストレスチェックの実施担当者が正社員名簿だけを対象リストとして使ってしまったというケースです。健康診断とストレスチェックの対象者リストを一元管理し、契約更新や新規採用のたびに更新する仕組みを作っておくことが大切です」
画猫さん
「Cさんには追加でストレスチェックを受けてもらう手配をしました。ところで、ストレスチェックの結果、高ストレスと判定されたパート社員がいた場合の対応について教えてください」
江尾社労士
「第56条の2の第2項と第3項が関連します。第2項は『ストレスチェックの結果、ストレスが高く、面接指導が必要であると医師、保健師などが認めた者に対し、当該パート社員の申し出により、医師による面接指導を行う』──ここで重要なのは『当該パート社員の申し出により』という文言です。面接指導は本人の申出が要件であり、会社が強制することはできません。ストレスチェックの結果は本人に通知され、本人の同意なく会社に提供されることもありません。これは労働安全衛生法第66条の10の枠組みに沿った設計です」
画猫さん
「本人が申し出ない限り、会社には何もできないのですか?」
江尾社労士
「面接指導そのものは本人の申出が前提です。しかし、会社にはパート社員が申し出やすい環境を整える義務があります。具体的には、面接指導を申し出たことを理由に不利益な取り扱いをしないことを明確に周知し、面接指導の申出先や手続きをわかりやすく案内し、申出の心理的ハードルを下げる工夫をすることです。パート社員は正社員以上に『申し出たら契約を更新してもらえないのではないか』という不安を抱きやすいですから、不利益取り扱いの禁止を繰り返し伝えることが重要です」
画猫さん
「第56条の2の第3項には、面接指導の結果に基づいて就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を命じることがあると書いてありますね。この措置が、パート社員にとって不利益変更にならないかが心配です」
江尾社労士
「非常に鋭い指摘です。たとえば、高ストレスの原因が長時間労働にあるとして、医師が労働時間の短縮を勧告した場合、パート社員にとっては労働時間の短縮がそのまま賃金の減少を意味します。正社員であれば月給制のため、短期間の労働時間短縮で直ちに賃金が減ることは少ないですが、パート社員は時間給ですから、影響が直接的です。ここが安全衛生措置と不利益変更の境界線で、実務上最も悩ましいところです」
画猫さん
「どう対応すればよいのでしょうか」
江尾社労士
「まず、措置の内容は医師の意見を聴いた上で決定することが大前提です。会社の独断ではなく、専門家の判断を根拠にしてください。次に、措置の内容と理由をパート社員本人に丁寧に説明し、本人の意見を聴くプロセスを踏むこと。そして、措置が一時的なものであれば、いつまでの措置なのか、どのような状態になれば元の勤務に戻れるのかを明示すること。この3つのステップを踏むことで、措置が安全配慮義務に基づく合理的な対応であり、一方的な不利益変更ではないことを示すことができます」
画猫さん
「措置の期間を明示するのは大切ですね。『いつ元に戻れるのかわからない』という状態では、パート社員の不安は増すばかりです」
江尾社労士
「そのとおりです。もう一つ触れておきたいのが、第56条の長時間労働に係る面接指導です。第56条第1項は『法令に定める一定時間を超える長時間の労働により疲労の蓄積が認められる者に対し、当該パート社員の申し出により医師による面接指導を行う』と定めています。パート社員は所定労働時間が短いため、長時間労働の面接指導は自分には関係ないと思いがちですが、実際にはダブルワークや繁忙期の残業により、法定の基準──月80時間超の時間外・休日労働──を超えてしまうケースがゼロではありません。特に副業・兼業を行っているパート社員については、第22条第7号の副業・兼業の届出と連動させて、通算の労働時間を把握することが重要です」
画猫さん
「副業・兼業と長時間労働の面接指導をつなげて考える必要があるのですね」
江尾社労士
「ええ。安全衛生の規定は、それ単独で完結するものではなく、服務規律や賃金、休職といった他の章の規定と密接に関連しています。健康診断の結果に基づく就業制限は第54条第5項、感染症による出勤停止は第55条、出勤停止中の賃金は第48条の休業手当、ストレスチェック後の措置は第56条の2──このように、一つのトラブルに対応するためには複数の条文を横断的に読み解く力が求められます」
画猫さん
「今日は安全および衛生について学びましたが、『パート社員は対象外』という思い込みがいかに危険か、よくわかりました。健康診断の対象者判定、感染症による出勤停止の賃金問題、ストレスチェックの高ストレス者対応──どれも、条文の表面的な読み方だけでは対応できない問題ばかりでした」
江尾社労士
「安全衛生の本質は、予防です。事故や病気が起きてから慌てるのではなく、平時から体制を整えておくことが、会社にとってもパート社員にとっても最善の選択です。そして大切なのは、安全衛生が会社の一方的な義務ではないということ。第54条第2項のように、パート社員には健康診断の受診義務があり、第55条第2項のように、同居者の感染症の届出義務がある。会社が安全な環境を整え、パート社員がその仕組みに協力する──この双方向の関係があってこそ、安全衛生は機能します。慶良間の海では、一つひとつのサンゴが産卵することで海全体の生態系が維持されています。安全衛生も同じで、会社と一人ひとりのパート社員が自分の役割を果たすことで、職場という生態系が健全に保たれるのです」
画猫さん
「まずは健康診断とストレスチェックの対象者リストを一元管理する仕組みを整備して、感染症の出勤停止に関するフローも明文化します。それと、再検査費用の補助制度や、ストレスチェックの面接指導を申し出やすい環境づくりについても、上に提案してみます」
江尾社労士
「どれも具体的で実効性のある取り組みです。就業規則シリーズもいよいよ最終章まで来ましたね。全11章を通じて一貫して言えるのは、就業規則は『会社と従業員の共通言語』だということです。条文を正しく読み、正しく運用し、必要に応じて見直していく──その積み重ねが、あっぱれ商事をより安全で働きやすい職場にしていきます。画猫さんの日々の取り組みが、必ずその土台になりますよ」
| 条文番号 | 条文タイトル | 主な関連トラブル |
|---|---|---|
| 第3条第4項 | 採用(個人情報の使用目的) | トラブル1 |
| 第22条第7号 | 服務心得(副業・兼業) | トラブル3 |
| 第48条 | 臨時休業中の賃金 | トラブル2 |
| 第53条 | 遵守事項 | 全トラブル |
| 第54条 | 健康診断など | トラブル1 |
| 第55条 | 就業禁止 | トラブル2 |
| 第56条 | 長時間労働にかかる面接指導 | トラブル3 |
| 第56条の2 | ストレスチェック | トラブル3 |
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