電子申請で業務効率化を行いませんか
上江田晋作
現在、どのように雇用保険・社会保険の手続きを行っていますか?以下のような課題がありませんか。
- 手続きに時間がかかる(約2週間)
- 年金事務所や労働局の窓口へ行く時間がもったいない
- 手続きが必要な従業員に待ってもらうことになる
- 時期によってはさらに時間がかかる
総務や経理の担当の職員が書類を作成し、年金事務所や労働局の窓口へ持っていく、または郵送で送っているという企業が多いと思います。しかし、それだと時間的なコストが大きくかかってしまいます。郵送しても返ってくるまでに約2週間と、決して早いとは言えません。
書類を提出して戻ってくるまでに約2週間ほどの時間がかかります。4月など時期によっては入退職が多く、混雑してしまうためにさらに時間がかかってしまうこともあります。
先日、電子申請を行なっている企業にお邪魔して、電子申請の使い勝手とメリット・デメリットをお伺いしてきました。その企業ではこれまで書類を作成し、郵送または窓口へ届け出ていましたが、今年から電子申請を行なっています。
電子申請(e-gov)のメリット
- 24時間3652日行える
- 返ってくるまでが早い(約1週間)
- サポートが親切
- 返戻通知による指摘
- 個人情報の持ち運びがない
従業員規模の大きな企業では、入退職の他にも育児・介護休業、労災などほぼ毎日なんらかの手続きが発生します。毎日労働局へ出向くのは無理があるため、月に1度または週に1度まとめて行ってしまうという方も多いのではないでしょうか。事務的な業務効率を考えるとそのようになってしまうのですが、電子申請だと24時間365日可能なので、手続きが発生したその日で行えます。申請から約1週間ほどで返ってくるので、健康保険証の取得など早めに済ませたい手続きが手早く行えます。従業員のことを考えると手続きが早いのは非常に助かるのではないでしょうか。 また、労働局や年金事務所の窓口へ行かなくて済むので移動時間と待ち時間が削減されます。
申請の利用準備や流れなどHPにも細かく記されていますが、電子政府利用支援センターによるサポートもしっかりしているため、安心して行えます。 申請データの「到達」「手続き終了」など通知のメールが届くので状況の把握が可能です。 もし書類の添付漏れなど不備があった場合には「○○○を添付してください」と指示が出されるので再提出も行いやすくなっています。
「パーソナライズ」という機能がついているので、よく行う手続きが繰り返し行いやすくなっています。これまで行なった手続きの履歴も確認できます。
電子申請の件数は平成25年度から平成26年度にかけて約100万件も伸びていて、政府も手続き業務の処理を早めるために電子申請手続きの見直しなどを進めています。今後も電子申請可能な手続きが増え、どんどん便利になっていくでしょう。
e-govのデメリット
- 窓口の照合省略と電子申請の照合省略は別物
- 電子申請照合省略は全てが省略されるわけではない
窓口で行う照合省略と電子申請の照合省略は別物です。なので窓口での照合省略を受けている場合でも電子申請の照合省略が必要となります。これを受けていない場合には各添付書類もひつようとなるため、十分に効率化できません。また、添付書類が削減されても、委任状や許可証も提出する必要があります。
電子申請を行うための準備
電子証明書の取得
電子申請を始める前に、「電子証明書」を取得する必要があります。これは「印鑑証明書」に相当するもので、オンラインで申請する書類に添付することで申請者を確認することができます。まずはこの「電子証明書」から取得しましょう。
電子申請照合省略の申請
「30人以上の被保険者を雇用していること」「労働者名簿、出勤簿、賃金台帳を完備していること」という要件がありますが、多くの手続きで省略できるので、これを行うメリットは大きいといえます。申請書を提出するだけなので、要件を満たしている事業所はまずは申請してみてはどうでしょうか。
これまでの業務のやり方を変えるには、大きなエネルギーやリーダーシップが必要となります。社会保険労務士江尻事務所ではそのお手伝いもしていますので、ぜひご相談ください。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。